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　（一社）千葉県建設業協会青年部会の一行２０人は２日、熊本県の（一社）熊本県建設業協会青年部を訪ね、本年４月の「熊本地震」で甚大な被害を受けた熊本県協会青年部に対して、義援金を手渡した。５年半前の「東日本大震災」により、津波や液状化の被災を経験した本県の青年部会からは、それらの被災状況を詳しく説明するなどの情報を提供。「災害の発生は予測できないことがほとんど」とした三瓶部会長は、それに対して「（お互いの）経験や情報を活かして備え、万一の災害時には『地域建設業が絶対に必要である』と一般の方たちに広く認識してもらえるよう、切磋琢磨していくことが不可欠」と主張。地域を守る第一線で活躍する両協会の「建設青年」同士が意見を交換し、親睦を深めた。

　　◆「義援金」募り視察研修

　　今回の熊本地震による犠牲者の冥福を祈り黙祷を捧げた後、午後５時からＫＫＲホテル熊本で始まった両県青年部会員による意見交換会。冒頭の三瓶部会長と緒方会長のあいさつに続き、両県青年部が活動内容を含めて自己紹介。さらに、千葉県青年部会から熊本県青年部への義援金の贈呈が行われ、双方からの情報提供へと移った。

　　◆「少しでも力になる」「是非とも来てくれ」

　　あいさつの冒頭で本県の三瓶部会長は、震度７を２度観測した熊本地震について「今まで経験したことのない大災害に見舞われた多くの被災者をはじめ、今なお苦しい生活を強いられている方々には、心からお見舞い申し上げます」と弁。次いで、熊本県建設業協会青年部に対しては「みなさんが地震発災直後から復旧作業を行っている姿をフェイスブック等で拝見し、我々が少しでも力になれないものかと考えていた」と述べたうえで「緒方会長に連絡を取ったところ『是非来て下さい』との返答を頂き、今回の意見交換会が実現できたことを非常に嬉しく思う」と強調。

　　◆地域の一線で活躍／経験や情報の備え

　　一方で「５年半前の東日本大震災では、千葉県も津波や液状化により被災した」と説明した三瓶部会長は、熊本地震について「我々の想像をはるかに超える経験をされたと思う」と慮ったうえで「本会では我々からの情報提供とともに、その経験をお話し頂き、災害時の建設業としてのあり方などを学ばせて頂きたい」と申し出た。
　　さらに、今後も起こり得る災害に対しては「同じ建設青年として、地域を守る第一線で活躍する者として、何が必要なのか、何が出来るのか、どのようにすべきなのかについて、我々が備え、継承していくことは沢山ある」と指摘。予測できない災害の発生には「経験や情報を活かした備えで、万一の災害時には一般の方々に『地域建設業が絶対に必要である』と広く認識してもらい、報道でも取り上げてもらえるよう切磋琢磨していくことが重要である」と訴え、あいさつを結んだ。

　　◆ＬＩＮＥ電話と広域農道際立つ

　　熊本県青年部からの情報提供では、震災後は「幹線道路は不通だったが広域農道が役立った。道路の重要性を改めて感じた」（緒方会長）をはじめ「不通となった電話に対して、ＬＩＮＥ電話は普段通り通じたので有効だった」（梨木運営専務）、「国交省のテック・フォースが翌日現地入りし、近県の建設業者を連れて幹線道路の復旧に取り掛かったが、素晴らしいと感じた」（吉田副会長）などの状況報告の一方で、「前震により会社が全壊。家族や従業員の安否を確認し、翌日から災害復旧に取り掛かったが、本震が発生したことで、前震の復旧活動が無意味なほど破壊された」「災害時の連絡系統がうまく働かず、発注担当から直接業者に連絡が来ることもあった」（梨木運営専務）、「道路の混雑に困った。国や行政に『災害復旧車両優先措置』をとってほしかった」（赤穂事務局長）、「建築会社を経営しているが、被災後は職人不足、資材高騰で不安が募る。特に瓦の不足は深刻な状況である」（藤吉広報室長）などの厳しい声が聞かれた。

　　◆フェイスブックで一般に建設業ＰＲ

　　意見交換会に引き続き行われた懇親会のフリー討議でも、熊本県協会青年部の会員からは「多くの一般の方に建設業のＰＲを目的にするのならばフェイスブックは一般公開した方が良いと思う。熊本県は公開しているが問題はない」「発災後直ちにコンビニに協力してもらい、復旧班の食糧等を確保した。非常に助かったので参考にしてもらいたい」「災害時の燃料の確保に協力してもらえる体制が必要だと考えた」「一度の投稿で情報をより多くの人に展開でき、思わぬところで協力を得られる可能性があることから、フェイスブックでの情報共有は良いと思う」などの効果的な意見が寄せられた。