県 週休二日モデル工事(土木) 1000万以上の単年度工事を一般競争入札で発注 県は本年度、土木工事で対象・件数を大幅に拡大して試行する『週休二日モデル工事』について、設計金額1000万円以上の単年度工事を対象に、一般競争入札で発注する。また、完全週休二日を実施した場合には、通常の工事成績評定調書の評価とは別枠で5点を加点することも決めた。
普段は指名競争で行う規模の工事も一般競争で発注することについて県の担当者は、「完全週休二日という、建設業では非常に難しい取り組みにチャレンジする意気込みのある企業を広く求めるため」などと説明。完全週休二日の達成時に別枠で5点加点する大きなインセンティブを与えつつ、達成できなかった際のペナルティは設けない(通常の工程管理の中で評価)ことで、多くの県内企業の取り組みを期待している。
県での週休二日モデル工事は、若手技術者の離職抑制と新卒者が入職しやすい環境づくりを支援する取り組みの一環として昨年度から試行。昨年度は3件の道路工事で試行した。本年度は、本庁水産部と全振興局の建設部、長崎港湾漁港事務所、上五島支所、上県土木出張所を実施機関とし、各機関で道路、河川砂防、港湾漁港の工事から1件ずつ(計3件)を目標に試行する。
試行の対象者は、モデル工事の元請業者(技術者・技能労働者)で、休日には現場を閉所し、資料作成も認めない。下請け業者には協力を依頼する。
陸上・海上工事で試行方法を変更 本年度の試行では、陸上工事(道路、河川、砂防関係)で完全週休二日=A海上(感潮河川含む)工事で週休二日パターン≠適用する二つの方式を設定。完全週休二日方式は、土日祝日を休暇とし、定期的な連続休暇を確保する。雨天などで工期が足りないと判断した場合は、工期の延長日数と理由について監督職員と協議可能。ただし、受注者側に問題がある場合は工期延長しない。完全週休二日が実施された場合のみ別枠で5点加点する。
週休二日パターン方式は、連続作業や潮待ちなどがある海上工事に配慮。土日祝日休暇(完全週休二日)を基本としつつ▽2週4休▽4週8休▽6週12休▽8週16休―のパターンを、工事内容や自然環境を考慮して組み合わせて工程を設定する。工期は原則延長しないものの、監督職員と協議して施工中に休暇パターンを変更することは可能。加点については、完全週休二日達成時に5点するだけでなく、完全週休二日の実施割合に応じた加点も実施。具体的には、工期内の75〜99%の実施で4点、50〜74%で3点、25〜49%で2点、0〜24%で1点、それぞれ加点する。
モデル工事はこのほど、五島振興局で2件(富江岐宿線道路改良・舗装工、荒川漁港水産生産基盤整備・4工区)、本庁水産部で3件(長崎半島南部地区増殖場整備・祇園山西1工区、対馬地区大型魚礁整備・上対馬三ツ島北工区、五島地区大型魚礁整備・三井楽嵯峨島西7工区)が公告された。他機関でも順次公告していく。