岡崎市は、市内に現存する築70年以上の社寺を除く建造物約6500件を対象に、実態などを調査する歴史建造物調査を開始する。調査には愛知建築士会岡崎支部(矢田親支部長)と愛知県建築士事務所協会岡崎支部(河内利弘支部長)が全面協力。官民連携の下、第1弾として9月から愛宕学区など3学区で調査をスタートする。
同市では、今年5月に国から認定を受けた「歴史まちづくり計画」の一環として今回の調査を位置付ける。歴史的風致の再発見や価値付け、魅力アップにつなげる狙いで、歴史や文化を生かした今後の街づくりに生かす考え。合わせて、同市が策定を目指す「歴史文化基本構想」の基礎資料として活用するほか、報告書を作成して公開。各資料や案内書作成などへの利用を促す。
調査は2段階。基礎調査となる1次調査は外観目視を基本に進める。2次調査では価値判断などから抽出した建造物に対して、内部調査など詳細を調査する。第1弾の調査では、愛宕学区のほか連尺、梅園の3学区が対象。9月3日の第1回調査を皮切りに10月15日まで5回の調査を予定している。今後のスケジュールは、16〜17年度で1次調査、17〜18年度で2次調査を行い、19年度で報告書の作成、刊行する。
協力する2団体からは有志の建築士43人が同行し、プロの目から建造物を評価する。矢田支部長は「街を散策することは魅力の再発見につながり新しいものづくりにも生かされる」と若い技術者らの参加意義を強調する。河内支部長は「岡崎市の歴史文化建造物の掘り起こしとともに、街の景観を考える上で重要な調査。新しい街づくりに生かしたい」と話した。
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建通新聞社