「高知県における今後の管理型産業廃棄物最終処分のあり方に関する基本構想検討委員会」の第3回会合が8月30日、高知市内のホテルで開かれ、前回の会合で整備は必要とした新たな管理型最終処分場について、公共関与により整備手法を進めていくことが必要だとの認識を示した。
整備手法については、県がエコサイクルセンター利用者や産業廃棄物団体、事業所、高知県以外の都道府県を対象に行ったアンケート調査で、「公共が関与することによる信頼性と事業の継続性の確保が高く望まれている」「民間での管理型最終処分場整備は費用負担や同意取得などから困難」との結果が出た。また既存のエコサイクルセンターの実績や地域的要因なども踏まえ、公共関与の手法により整備を進めていくことが必要とした。
また既存のエコサイクルセンターの延命化策についても、同様のアンケート調査結果を踏まえ、産業廃棄物の排出抑制・リサイクルの推進、受け入れ量の制限、受け入れ金額の値上げ、産業廃棄税の導入、埋め立て済み廃棄物の圧縮、埋め立て済み廃棄物の再処理−について今後検討していくこととなった。
10月下旬に開催予定の次回会合では、新たな管理型最終処分場の施設構成・規模、候補地を選定する手法、施設の拡張を含めたエコサイクルセンターの延命化策などについて話し合われる。これを踏まえて最終報告の骨子案を策定し、11月に予定している第5回会合で最終報告案をまとめ、議会や県民からのパブリックコメントを踏まえ、年内に基本構想を策定する方針。
開業から間もなく5年が経過する現在のエコサイクルセンター(日高村本村)は、想定の倍の速度で搬入が進み、このままだと21年度末には満杯となる。そのため、新たな施設整備を含めた今後の管理型産業廃棄物最終処分の在り方について、岡山大学教授の藤原健史氏を委員長とする産学官から選出した委員により検討が進められている。
提供:建通新聞社