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西日本建設新聞社
2016/09/01

【熊本】「就職先の決め手は住居」熊建協と工業高校教師意見交換

 熊本県建設業協会と県内工業系高校による意見交換会が8月26日、テルサであった。地域建設産業への入職促進に繋げようと毎年実施しているもの。高校卒業後、県外建設企業に就職する理由について、寮や社宅など住居に対する待遇の違いが決め手の一つとなっている状況がわかった。
 協会から前川浩志担当副会長、神ア弘光労務対策委員長、同委員など12人、高校から熊本工業、玉名工業、八代工業、小川工業、球磨工業、天草工業、翔陽、熊本農業、八代農業、水俣、南稜―の教師16人が出席。行政から県土木部監理課の木山晋介審議員、前田賢一課長補佐、和田有生主幹、国土交通省熊本河川国道事務所の石川保之事業対策官も参加した。
 県立高校建設系学科(土木・農業土木・建築等)を今年3月に卒業し就職した生徒は348人。うち建設産業は181人で割合も他産業と比べ伸びている。しかし就職先をみると、過去3年は県内が多かったものの、今回は県内82人、県外99人と逆転した。
 県外を選ぶ理由について学校側は「郡部の生徒は、採用が多い熊本市内企業に就職したいが、寮が無く県外に行ってしまう」「アパートでの一人暮らしに保護者が不安を持っている」「経済的に厳しい家庭も多く、自動車運転免許の取得費用も重なってくる」と説明し、「寮や社宅とまではいかなくても、例えばアパートを借りる際の頭金(敷金等)の一部でも助成してもらえないか」と訴えた。
 これに対し協会は、小規模の企業であれば寮や社宅などは難しいと説明。県は、協会とも協議して住居支援が可能かどうか検討していく姿勢をみせた。
 協会と建産連が取り組んでいる現場見学会やインターンシップ、ガイダンス、パンフレット配布、CM、採用情報サイトなどについても意見を交わし、学校側は「効果が出ている。継続すべき」と評価。県内建設産業への入職に繋がるよう、学年や生徒のニーズに沿った内容に改善していくことで意見が一致した。
 意見交換の前には、熊本地震で甚大な被害を受けた熊本城を見学した。

提供:西日本建設新聞社