南海トラフ巨大地震で甚大な津波被害と地域全体の孤立化が懸念される海陽町宍喰地区に、2次避難場所や応急復旧などの活動拠点となる地域防災公園の整備を検討する第2回会合が24日、同町役場で開かれた。当日は同公園に求められる機能や規模、整備候補地などについて議論。ヘリポートや物資集積所、仮設住宅建設用地などの機能も果たすことが可能な面積約2fの公園整備を図ることとし、宍喰川北側の山間部で地区中心部より1`ほど北西の海部道路(阿南安芸自動車道)ルート帯内に整備する考えなどが示された。
早期事業化が求められている同自動車道において、昨年4月に示された対応方針(宍喰地区に地域防災公園の整備と合わせて自動車専用道路への出入口確保について検討することが追加された)を踏まえ、同町では、県の都市計画決定手続きを前に救急物資や生活必需品の輸送拠点などとして、地域防災公園の整備を検討することにした。大規模災害時における応急対策や復旧・復興に向けた条件整備を行い、これにアクセスできるインターチェンジ(IC)の設置を目指していく。
今回の検討会では、同公園に求められる機能として@2次避難所A応急救助機関の活動拠点B復旧活動拠点・資材置き場CヘリポートD物資集積所E仮設住宅建設用地−の六つの機能を挙げ、必要な面積として2f程度の用地が必要とした。また、候補地の選定に当たっては@津波浸水区域外A中心部から近郊(中心部から1`以内)B海部道路ルート帯に近接C地すべり防止区域外−の四つの条件で選定。3カ所の候補地を示し、地震時に橋梁が壊れるなどし、寸断しやすい宍喰川南側や地区北西にある地すべり防止区域を避ける形で、今回の最適地を選定した町の考えが示された。
出席した委員からは、最適地の選定について特に異論はなかったものの、求められる機能については、2fの面積では不十分ではないか、避難所に知的・身体障害者の受入体制を充実させてほしい、自衛隊や消防団との連携を密にできる発令所のような機能を持たせてほしい、無線・通信設備を充実してほしい、海部道路だけでなく県道などのアクセス道路も早期に整備してほしい−などの意見が出された。
同検討会は、同町をはじめ、国土交通省徳島河川国道事務所、徳島県、町消防団、町社会福祉協議会の関係者で構成。次回会合の開催日は未定だが、同公園の平時における利用方法について議論することにしている。
提供:建通新聞社