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建通新聞社四国
2016/08/30

【香川】4池で耐震補強必要 ため池耐震整備検討委

 第10回香川県ため池耐震化整備検討委員会(委員長・毛利栄征茨城大学農学部教授)が8月24日に開かれ、県内8市4町・31池のため池耐震点検調査結果について検討した。
 このうち堤高10b未満の赤坂上池(綾川町)のほか、堤高10b以上で亀割池(高松市)、鞍谷池(坂出市)、逆瀬池(観音寺市)の3池の計4池が国の現行基準である安全率1・2に届かないとして、耐震補強工事が必要との判断を示した。
 4池について県農政水産部は、2016年度中に測量を実施するとともに、耐震補強工法や工事費などを盛る基本計画を作成し、17年度以降に耐震補強の実施設計と工事着手につなげる。
 県は、堤高10b未満のため池の▽羽間上池▽羽間下池▽平田池▽外山池▽沖ノ池▽友常池▽神崎池▽関ノ池(以上高松市)▽金丸池▽八丈池▽枡池▽大池▽平池(以上丸亀市)▽真元池(坂出市)▽弘階池(善通寺市)▽御田神辺池▽双の池▽野間池(以上さぬき市)▽石引池(東かがわ市)▽大津池(三豊市)▽下池▽蓮池(以上三木町)▽赤坂上池(綾川町)▽羽間池(まんのう町)―の24カ所でボーリングなど耐震点検調査を実施。現行基準での安定計算解析などを検討委に示した。
 また、防災上重要度の高い堤高10b以上のため池として▽亀割池(高松市)▽鞍谷池(坂出市)▽逆瀬池(観音寺市)▽新中山池(小豆島町)▽二ツ池(三木町)▽一区池(綾川町)▽備中地池(まんのう町)―の7カ所で国の現行基準の安定計算に加え、南海トラフを想定した長時間地震動に対する、ため池堤体の強度低下を考慮した解析を実施した。
 この検証で「南海トラフを想定した地震動に対して堤体は直ちに決壊に至るような大きな強度低下を示さない」ことが確認された。
 東日本大震災でため池の決壊による甚大な被害が発生したことから、県は南海トラフ地震などの大規模地震に備え、11年度から貯水量10万d以上の大規模ため池137カ所を対象に、耐震点検調査を実施している。今回で対象ため池137カ所全ての検討は終わり、このうち40カ所で耐震補強が必要と判断された。

提供:建通新聞社