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建設新聞社
2016/08/30

【東北・福島】アーカイブ拠点施設の建設は双葉町中野地区/追悼・祈念施設は浪江町を要望

 福島県は29日、第58回新生ふくしま復興推進本部会議を県庁で開催し、この中で、震災や原子力災害の記録と教訓を伝えるため県が整備するアーカイブ拠点施設の建設候補地について、復興祈念公園建設地に隣接した双葉町中野地区とすることを決めた。
 建設候補地は、地元自治体から設置要望があった4地区の中から、情報発信拠点としての適性や復興祈念公園との連携など総合的に評価して選定。
 双葉町中野地区内の候補地は、福島第一原子力発電所から北に約4・3`b地点で、町北部の沿岸に位置する約1・7f。双葉町と浪江町にまたがり整備する復興祈念公園の南西部に隣接し、公園と連携した集客が見込めるほか、2019年度完成予定の常磐自動車道双葉IC(仮称)から約7`bと交通アクセスにも適している。
 施設建設に向けては現在、トータルメディア開発研究所(東京都千代田区)に委託して基本構想の策定を進めている。
 基本構想着手を前にアーカイブ拠点施設有識者会議(会長=小沢喜人福島大学副学長)は、「展示・交流エリア」「資料エリア」「研究エリア」の3エリアにロビーやショップなどを加えた施設構成を提案。また、有識者会議の中で県は、神戸市にある「阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター」を参考に、延べ1万2700平方bとする案を提示している。
 今後、民有地(一部町有地)である建設候補地の用地取得に着手するとともに、16年度内に基本構想を策定する。17年度に基本・実施設計、18・19年度で本体工事を行い、20年に開催する東京オリンピック前の供用を目指す。
 また、同会議の中で、復興祈念公園内で計画されている国営追悼・祈念施設(仮称)の設置について、福島県として浪江町側への設置を国に要望することを決めた。
 福島県の復興祈念公園は、双葉町北部と浪江町南部にまたがる中野・両竹(もろたけ)地区の約50fが計画エリア。2020年度の一部供用を目指し、現在はプレック研究所に基本構想検討調査業務を委託している。
 浪江町を選定した理由として県は、津波被害等が甚大であり追悼の場として妥当であること、さらに、丘陵部の海側に位置し被災地が一望できるほか、丘陵部と連携した施設検討が可能であることなどを挙げている。

 提供:建設新聞社