最大地権者の荒川区が準備組合員として参画している西日暮里駅前地区市街地再開発事業(村田常彦理事長)で、整備を検討している公共公益施設の概要が明らかになった。最大延床面積1万5000平方bの規模で、1500席程度を収容する大ホールや400人程度収容可能なイベントホールを中心に、事業予定区域内にあるひぐらし保育園や西日暮里在宅高齢者通所サービスセンターなどを再整備する意向だ。この他、再開発事業では、約1万6000平方bの商業機能に加えて、権利者用の住宅や分譲・賃貸住宅などの住居機能の配置を想定。都市計画変更により容積率を850%まで高めた場合の施設イメージを延床面積10万8000平方bから14万4000平方bの規模で3案提示している。今後は、準備組合が主体となって2016年度内に基本計画素案を作成するとともに事業区域を確定させる。18年度をめどに施設の配置・用途・規模を固める。
再開発事業の対象予定地区は西日暮里駅に隣接する西日暮里5ノ32〜38の一部で敷地面積は約2・3f。
同区は、旧道灌山中学校跡地の他、在宅高齢者通所サービスセンター、ひぐらし保育園と合わせて約5458平方bの用地を所有する最大の地権者。開発事業を通して、延床面積1万〜1万5000平方bの規模で、大規模改修を終えた荒川区民会館「サンパール荒川」(鉄筋コンクリート造6階建て延べ約1万平方b)の代替施設となる約1500人収容の大ホールや、産業・スポーツ・文化振興の用途に使用可能なイベントホールを整備。併せて、ひぐらし保育園や西日暮里在宅高齢者通所サービスの代替機能も確保する。この他、災害時の帰宅困難者の受け入れを想定して備蓄物資の収納スペースも設ける考えだ。
今回提示したのは、商業上階にホール機能を設置するA案(総延床面積14万1000平方b)、 敷地を分割して北側敷地にホールを独立して設置するB案(同10万8000平方b)、ホールを構造上独立させ再開発ビルに隣に設置するC案(同14万4000平方b)の3案。
1フロア当たりの床面積はB・C案に比べA案が1・5倍広くなることや、ホールと商業機能との行き来が容易でにぎわい形成の観点でシナジー効果が見込める点などメリットが多いとした。
同再開発事業の事業協力者は野村不動産・三菱地所レジデンスの共同企業体で、事業コンサルティング業務は都市設計連合(港区)、基本計画設計者として梓設計(品川区)が参画している。
提供/建通新聞社