国土交通省木曽川上流河川事務所は、犀川遊水地事業による堤防整備や、同事業の一環で五六川と起証田川を付け替るほか、両河川から犀川に排水する牛牧樋門と牛牧排水樋門、牛牧排水機場を整備する。早ければ2017年度に排水機場から着工し、各樋門の整備、堤防整備へと順次進め、旧牛牧排水機場を撤去して完了する予定でいる。順調に進めばこれら一連の工事を3カ年程度で整備したい意向だ。
計画によると、新設する牛牧排水機場の排水量は毎秒4・7d。2・35dのポンプを2台設置する。将来、必要となければ排水量を毎秒7dへの能力アップも考えられている。
五六川から犀川に排水する牛牧樋門については、43・2b×5・5bのボックスカルバート。五六川の付け替えに伴う護岸整備は両岸合わせて約340b。
起証田川から犀川に排水する牛牧排水樋門については13b×3・4bのボックスカルバート。起証田川の付け替えに伴う護岸整備は両岸合わせて約260b。
また、堤防整備として築堤工(片側)延長約200bを施工する。
詳細設計は中央コンサルタンツ(名古屋市西区)が担当した。
1981年度に着手して以来、35年の歳月をかけて整備が進められた犀川遊水地事業は、これら一連の工事着手で最終段階に入る。
同事業は、犀川流域の内水対策の一環として、貯水池の容量を増大することにより、貯留調整機能を増強し、排水機場による排水と併せて、長良川本川の負担を軽減しながら内水被害の軽減を図る。また、遊水地内の河道を整備することで、内水の自然排水を促進することが目的。
事業区域は全体で約100f。うち約70fを遊水地(河川区域)とし、掘削した土砂を約30fの土地に盛り土し、約140万立方bだった遊水地容量を約230万立方bまで増強する。土地区画整理事業と一体となって進められた事業だ。
提供/建通新聞社