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西日本建設新聞社
2016/08/25

【熊本】投資的経費が1000億突破 熊本市8月補正案

 熊本市は、29日開会の定例市議会に提案する8月補正予算を公表した。熊本地震関係は一般会計に731億7837万円追加。このうち災害復旧事業などの投資的経費が547億4383万円を占める。一方で、復旧を優先させるため、当初予算に計上していた通常事業分を見直し、約100億円減額した。8月補正後の投資的経費は1096億1126万円(うち地震関係682億円)となり1000億円を突破、前年度同期と比べ138・4%増に膨れ上がった。【3面に詳細】
 地震関係の予算化は、5月6日専決の81億1212万円、6月補正の188億3218万円に次いで3回目。これまでの補正は、応急仮設住宅設置など被災者支援のための経費や、災害廃棄物の収集運搬・処分費用、損壊家屋解体撤去費用などが殆どで、今回が初めて本格的な工事費計上となった。
 主な災害復旧費(一部債務負担行為含む)は、道路橋梁等88億1610万円、河川16億8360万円、公園5億9980万円、学校施設等53億4700万円、熊本城13億1900万円、公設運動施設5億3200万円、文化施設10億1000万円、農地等29億4000万円、動植物園園路4億3100万円―など。企業会計では水道施設に26億9450万円、下水道施設に97億1613万円の復旧費を付けた。
 ほか、被災した辛島公園地下駐車場実施設計や中央公民館建替設計、上熊本車両工場等被害調査・設計など、本復旧に向けた委託費も予算化した。
 地震以外の通常補正(投資的経費)は3億6010万円。梅雨前線豪雨で被災した農地・農業用施設の復旧工事費2億5300万円、公園の復旧測量設計・工事費5240万円などを計上した。


191事業見直し 100億円減額

 熊本市は22日、当初予算計上事業の見直し事業を明らかにした。熊本地震からの復旧・復興にマンパワーを集中するため一定の見直しを実施、特に復旧に向けては民間事業者の協力が必要なため、その視点も含めて精査した。見直したのは191事業にのぼり、補助事業約29億円、単独事業約61億円など約100億円を8月補正で減額した。
 全て減額したのは、川尻公会堂耐震改修、地域コミュニティセンター建設、希望荘施設整備、小中学校外壁改修整備、電停改良―など。街路整備や公園整備、道路橋梁整備なども復旧工事を優先させるため一部減額した。地場建設産業の技術者育成や振興に取り組むため新規に盛り込んでいた建設産業育成振興経費200万円も全額減額した。

提供:西日本建設新聞社