トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日本工業経済新聞社(山梨)
2016/08/22

【山梨】中部横断、全体工程の精査を

 建設が進む中部横断自動車道(増穂IC〜新清水JCT間)の工事の課題を協議する関係者による連絡調整会議が19日、甲府市の県庁で開かれた。会議では、トンネル工事で発生している崩落や掘削土仮置場の確保などの課題を共有し、早急に全体工程などの検討を進めることを確認。開通時期については「検討が必要な状況」と事業者の国土交通省や中日本高速道路が説明した。
 中部横断自動車道の進捗状況は、中日本高速道路が施行の六郷IC〜増穂IC間(9・3q)は本年度内の開通に向けて工事が順調に進捗。
 一方、国交省と中日本高速道路が施行の六郷IC〜新清水JCT間(約49q)は、想定以上に脆い地盤でのトンネル掘削、掘削土に含まれる自然由来の重金属の処理、重金属の有無を確認するために必要となった仮置場の確保などが課題で、両者では工程の精査を行っている。そのため、開通時期は検討が必要な状況となっていると会議で説明した。
 意見交換では、トンネル掘削や大規模切土などによる掘削土の処理について、仮置場の確保や工事用車両の通行に伴う調整などに協力していくことを沿線自治体が表明。関係者が課題を共有し、全体工程などについて早急に検討を進めていくことを確認した。
 増穂IC〜新清水JCT間の進捗は、トンネルは30本(約32・6q)全てが着工しているが、約3割は掘削が未了。橋梁は、58橋のうち38橋が未完成。
 トンネル工事は、周辺の地盤が想定より非常に脆く難航。掘削面の崩落やトンネル構造(コンクリート面)の亀裂が発生し、掘削にあたっては地盤崩落の防止対策や構造強化の対策を追加している。掘削中の湧水、自然由来の重金属の処理や重金属の確認に必要な仮置場の確保も必要になり、工事が遅れが生じ、工程の精査が必要になっている。難航事象は、崩落が18本、変形が6本、湧水が5本、重金属対策が21本で発生。
 連絡調整会議には、事業者の国交省と中日本高速道路のほか、山梨・静岡両県、南部町など沿線自治体の代表が参加。事業者を代表して尾松智甲府河川国道事務所長は「地域にとっても重要な道路であります。一日も早く開通できるよう、これまで以上に連絡調整をさせていただきたい」とあいさつした。