三重県県土整備部は、「四日市・鈴鹿水域」など県内4水域の流域別下水道を対象にした「流域別下水道整備総合計画」(以下、流総計画)の策定に向けた調査業務に着手した。現行の流総計画を見直し、新たに2040年度を目標年度とした計画を作成する。15年度に基礎調査として実施した水利用の現況などの成果を踏まえて、16年度に「汚濁解析」、「目標負荷量の設定」の調査・検討を行い、目標値を設定し、17年度に県として計画案をまとめる考えだ。調査業務は、日水コン三重事務所(津市)が担当、調査工期は17年3月27日。
流総計画は、水質環境基準を達成し維持するために、流域ごとに合理的な下水道整備の方針を明らかにし、下水道計画区域や根幹的施設の配置・能力、事業の実施順位などを定めるもので、下水道法で策定が規定されている。閉鎖性水域では、終末処理場ごとにチッ素やリンの削減目標量を定めることになっている。
対象水域は、県下で下水道計画を進める「四日市・鈴鹿水域」、「中南勢水域」、「淀川水系木津川上流水域」、「英虞湾水域」の4水域で24市町が対象。現行計画は、「英虞湾水域」、「淀川水系木津川上流水域」を12年度に、「四日市・鈴鹿水域」、「中南勢水域」を14年度に策定し、4水域とも25年度を目標年度とした。現行計画が策定されてから一定期間が経過したため、社会情勢の変化を踏まえて、各流域の現行計画を現況に照らし合わせて見直し、合理的な下水道整備の方針を示す。流総計画が各流域内の公共下水道などの上位計画に当たるため、市町の公共下水道および県の流域下水道の事業計画を適合させていくことになる。
今回の業務のうち、「汚濁解析」では、流域ブロック別汚濁負荷量、河川の汚濁解析などを行う。「目標負荷量の設定」のうち、集合処理区域別の計画下水量の算定では、排水の種別で、家庭・営業、工場、畜産、観光の5種の排水量と、別途に地下水量を算定する。目標負荷量は、対象水域の全ての水質環境基準や水質環境基準以外の目標が達成される最大の汚濁負荷量として目標を設定する。目標負荷量の設定に当たり、削減負荷量の発生源別への配分の基準年度は40年度とした。
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建通新聞社