基幹水利施設ストックマネジメント事業の勝浦ダム地区(勝浦市)が事業計画決定した。勝浦ダム関係施設、頭首工ゲート、送水管など、勝浦ダム地区の長寿命化を図るため、機能診断調査結果に基づいた改修を行い、併せて施設のライフサイクルコストの軽減を図る。事業期間は2016〜18年度の3か年。総事業費は6億1900万円(工事費5億5400万円)を見込む。事業主体は県夷隅農業事務所。
施設整備の主な内容は、勝浦ダムの堤体下流法面ほか関係施設の補修、大森頭首工ゲートの補修、大森頭首工から勝浦ダムまでの送水管の補修など。勝浦ダムの補修は@ドレーン層設置A土砂吐の改修B斜樋工の補修C係船設備の更新D水管理施設の更新など。大森頭首工はステンレス製扉体の補修を実施。送水管はダクタイル鋳鉄管更新及び補強(管路更生工法)を行う。延長は3299m(φ300o)。
事業費の内訳は、勝浦ダム堤体補修ほか6800万円、勝浦ダム管理施設更新1億7280万円、送水管更新2億9380万円、大森頭首工更新1940万円。
工事の手順は、本年度で実施設計を行い、来年度で送水管を更新。その後、18年度で勝浦ダムの堤体補修と水管理施設更新、大森頭首工などを実施する。工事はいずれも4〜6月にかけて実施する予定。
同地区は、県営かんがい排水事業勝浦地区として1966年度に採択され、90年度に竣工した用水施設がある。同地区で整備された勝浦ダム、大森頭首工・送水管は機能診断の結果、経年劣化による性能低下が判明。また、送水管の漏水事故が発生している。このため、長寿命化及び維持補修費・更新費用の最小化・平準化を図り、生産力維持と経営の安定、優良農地の保全を目的に、機能保全計画に基づく事業を実施する。
勝浦ダムは堤高29m、堤長366m、貯水量196万6000立方m(有子貯水量185万立方m)の中心コア型フィルダム。
年度別事業費と事業内容(工事雑費、地方事務費除く)は▽16年度=測量試験費一式2500万円、用地買収補償費10万円▽17年度=送水管更新(3299m)2億9380万円、測量試験費500万円、用地買収補償費340万円▽18年度=勝浦ダム堤体補修他6800万円、勝浦ダム水管理施設更新1億7280万円、大森頭首工1940万円、用地買収補償費350万円。