愛媛県は、前払金の使途を拡大する制度改正を行い、4月1日以降に請負契約した工事にもさかのぼって適用している。改正点は、使途範囲の拡大で直接工事費以外の現場管理費に含まれる「労働者災害補償保険料」と一般管理費に含まれる「保証料」のみに限定されていたものを「現場管理費」と「一般管理費」にも充当可能とし、これにより直接工事に関わるものにしか使用できなかった前払金の使途が広がり利便性が増す。
前払金の使途は、地方自治法施行規則による工事請負契約約款で定められているが、4月に自治法規則の一部が改正されたことを受け、県は制度を改正し使途の拡大を行った。県の制度改正を受け今後、県内市町でも追随する動きが出てくるものと思われる。
前払金は工事に対して直接関わる材料費や労務費などに対して4割の支給を受けられているが、使途範囲を拡大することにより、前払金の使用用途が広がり利用者には金銭の融通性など利便性が増す。
しかし現場管理費と一般管理費に充当可能な額は前払金のうち25%までとなっている。
県は制度適用を4月1日以降の工事としており4月以降、前払金を受けていても、残金があれば県と請負契約書の変更を行うことにより、適用可能となる。今回の改正は前払金のみで、中間前払金は対象外。
以前の前払金の使途は、材料費、労務費、機械器具の賃借料、機械購入費、動力費、支払運賃、修繕費、仮設費、現場管理費に含まれる労働者災害補償保険料、一般管理費に含まれる保証料のみに限定されており、直接工事に関わるものにしか使用できなかった。
今回の改正で労働者災害補償保険料を「現場管理費」、保証料を「一般管理費」に変更したことにより保険料と保証料以外の「現場管理費」と「一般管理費」でも利用できるようになった。
提供:建通新聞社