本年度の香川県公共事業評価委員会(委員長・井原健雄香川大学名誉教授)の初会合が10日、高松市内で開かれ、広域河川改修事業(本津川)など再評価対象3件について審議した。広域河川改修(本津川、高松市)と観音寺港港湾環境整備事業(観音寺市)の2件を詳細審議対象事業に選定し、より詳細な審議や進捗状況などを具体的に確認する現地調査が必要と判断した。現地調査は年度末ごろまでに行う予定。一方で内海港港湾環境整備事業(小豆島町)は同事業を継続とする対応方針を「妥当」とした。
再評価対象は▽広域河川改修事業(本津川、高松市)河川整備計画策定後5年経過▽港湾環境整備事業(内海港、小豆島町)再評価実施後5年▽同(観音寺港、観音寺市)再評価実施後5年―の3件で、いずれも事業主体は県。
広域河川改修の本津川は1968年度に事業着手。全体事業費195億8730万円のうち、2015年度まで138億8730万円の事業費を執行し、残事業費は57億円。整備計画対象区間は9040bのうち、改修済みは河口から支流古川合流点までの4900b。未改修区間は同合流点から上流、新名橋付近まで4140b。用地進捗率は67%、工事進捗率71%。本年度は河川改修に伴う県道円座香西線に架かる落合橋の架け替え工事(下部工)を進める。整備対象期間は河川整備計画策定の11年からおおむね30年間。過去の水害実績を考慮し50年に1回程度の降雨で発生する洪水を安全に流せる断面を確保する。
事業評価委で県は、コスト縮減など現河川の改修方法について、拡幅、築堤や掘削により、川の断面を大きくとり、道路や護岸が活用できる箇所を残しコストを縮減。本年度着手する落合橋の架け替え工事でも既設護岸を活用する考えを示した。また掘削時の現況河川の形を復元できるようにしている、と説明。古川合流点から上流の河道計画の見直しで、護岸の勾配を1割から5分に変更し、工事費、用地費のコスト縮減と工期短縮を図る。上流側の堰も河川改修に合わせ固定堰を可動堰に改修する整備の方向性も示した。
内海港と観音寺港港湾環境整備について委員からは、埋め立て完了後の土地利用計画の見直しや、埋め立て護岸の海底の「魚礁効果データを地域住民への情報提供手法の一つに挙げるべきでは」とする意見もあった。
提供:建通新聞社