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日刊建設タイムズ社
2016/08/12

【千葉】宇野・県議長を表敬訪問/「部局横断的な予算」で対応/千葉県建設業協会三役 

 (一社)千葉県建設業協会の畔蒜毅会長をはじめ、橋順一、小宮山房信、石井良典の各副会長と大林正章・専務理事の三役一行は9日、県議会を訪ね、6月30日に第70代千葉県議会議長に就任した宇野裕氏を表敬訪問した。表敬あいさつに引き続き、宇野議長の取り計らいで行われた会談には、県土整備部の伊藤稔・都市整備局長や防災危機管理部の内田文雄次長らが同席。県議会のトップを中心に、建設行政及び業界団体首脳による「観光立県ちば」に向けた三者会談では、とりわけ観光客誘致に伴う「道路維持」(草刈り等)を焦点とする討議に発展した。

  ◆県首脳らとの三者会談に

  会談の冒頭では、宇野議長が「みなさんに直接関連する予算については、平成初期の頃に比べて激減していることを我々議員も承知している」と述べたうえで「国と連動している予算も非常に大きいものがある。国に頑張ってもらう分をはじめ、県が独自に頑張る分、県が独自に頑張る面や市町村との連携を考えると、県議会としてこれからは、前例に捉われず色々な面から提案していかねばならない」との考えを示した。
  引き続き、畔蒜会長は「我々建設業協会は現在、会員520社ほどを抱え、地域全体の中で災害時に対する対応の仕方を意識している」とし「それらの面で県行政とは、常に車の両輪の如く活動していかねばならないと再認識させて頂いた」と弁。一方で「しっかりと地域の県民のために、我々がどれだけ活動できるかということは、県の指導にかかっている」との認識を示し、さらに「我々の『災害時における応急対応の空白地域をつくってはならない』との思いに対するご理解も賜りたい」と要望した。
  県土整備部の伊藤・都市整備局長は「これからも若手の入職者が増えるように、建設業自体が健全で魅力ある職場にしなければ」との考えを示し「品確法をはじめとするそれらの適正な執行とともに、途切れない予算の確保により、みなさんと進んでいきたい」とした。
  本年度で進める上半期70%の前倒し発注については「下半期に向けての球切れがないように、インフラ整備全般における予算の確保に向け、7月後半には財務大臣と国土交通大臣に会い、それらの要望活動も行った」と説明。宇野議長については「これまで、県土整備常任委員会で私どもと一緒に取り組まれてきた。その中では厳しい言葉も頂いており、今後も引き続きお願いしたい」と呼びかけた。

  ◆観光立県ちばに道路草刈不可欠

  先月28日に開いた国交省関東地方整備局との意見交換会でも取り上げた話題として畔蒜会長は、森田知事が先頭に立ち観光立県を目指す方針に「道路整備もおもてなしの一つ」と位置づけていることに言及。道路の現状については「傷んだままで道路脇の草は伸び放題、白線は消えかかっている。地方に行くと歩道が狭く、歩道のない場所もあり、道路には民地の草が生い茂って車道を狭めているところも多い」と指摘。国道をはじめ県道、市町村道も同様で、それらについては「現行のかたちではなく、年間を通した維持管理として知恵を出し合いながら進めていけば、トータルコストは下げられる」とし「単年度予算で難しければ、2か年事業として年度末に発注することで、特に小さい業者が4月以降の仕事の端境期に充てられることは、平準化の意味も含めて非常に大きな意味を持つと思う」と提案。
  さらに「予算を増やさない限りはどうにもならない」と強調した畔蒜会長は「千葉県全体としての観光を目指すのであれば、業界にとっても県にとってもメリットがあり、県のイメージも変わると思う」と訴えた。
  伊藤・都市整備局長は、道路予算も最盛期に比べて半額近くまで落ち込んだ中で「これまでは道路修繕・維持費を確保するのがやっとだった」と述べ、これからも予算の確保に努めるとともに「発注時期によってさらに効果を上げることや債務の活用など、出来ることについては一生懸命取り組む。それには、細かいことでもご指摘を頂き、意見交換を通じて、限られた予算の中で最大効果を発揮できるように努めていきたい」とした。

  ◆「観光行政」にも影響

  これらに対して宇野議長は「おもてなしを言う以上は、それに見合った道路管理が必要であるという畔蒜会長の話はごもっともである」と述べたうえで「オリンピックを目指して4年間かけてきれいにし、良い印象を与えることが大事だと思う」と弁。それには「県が国や市町村と連携し、まずは目立つような道路から取り組む。併行して雑草や傷みの激しい道路をリストアップして、3〜4年計画ですべて実施する方向で予算を獲得する手立てを考えたい」とした。
  一方で「見方を変えれば、道路のためだけではなく『観光行政』にも影響する。千葉県に気持ち良く来て、気持ち良く帰ってもらうという観点からも『部局横断的な予算』があっても良いと思う」と提案。

  ◆柔軟に県レベルで対応は十分に可能

  防災危機管理部の内田次長は、千葉県の予算構造から「毎年100億円くらい社会保障費が伸び、県が負担すべき介護事業に対する法律上の負担金(義務的経費)も増えていく」と説明したうえで「予算に優先順位をつける場合、オリンピックというもので優先を高めるとすれば、商工労働部の『観光客を誘致する』という事業を少し削ってでも、観光分野で共通するその予算を県土整備部の草刈りに充てる。県土整備部と商工労働部が『共同で財政課に要望する』という発想が必要ではないかと思う」と提案。
  例えば「土地改良事業も農林の事業ではあるが、ある意味では多面的な機能で防災的な貯水機能がある」とした内田次長は「土地改良や農業土木の重要性は、いざ農業分野のみではなく災害、あるいは環境分野からの使命も果たしているということを考えれば、部局横断的な発想をすることで、柔軟に県レベルで対応することは十分可能である」と後押し。「そういった提案をして、財政課にチャレンジして頂きたい」と提言した。k_times_comをフォローしましょう
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