君津市建設部調理場建設課は、資材の高騰などから事業を凍結していた新学校給食共同調理場について、延べ床面積や調理能力を縮小するなど設計を見直し、コスト縮減を図ったうえで事業を進める方針を固めた。17日に開いた市議会の全員協議会で、今後のスケジュールや事業費について説明した。事業手法は従来方式とし、事業の透明性を確保するため、外部の専門家や関係者による協議会を設置して検証を進め、2019年度早期の供用開始を目指す。
建設場所はこれまで通り中島363番地先とし、建物規模を当初計画のS造2階建て延べ約4636uからS造平屋建て延べ4100u以下に、調理能力を日量8000食から6700食に縮小する。事業費は、設計費に3888万円、建設工事費に約29・5億円、その他食器・食缶・工事監理費等に約16・5億円を予定し、総額で約31・5億円を見込む。
事業スケジュールは、10月から設計の見直しに入るとともに協議会を設置。設計は工期約9か月で来年6月ごろまでに見直しを完了させ、設計完了後に入札手続きを行い、来年12月ごろに着工、工期14か月で19年1月の竣工を目指す。その後、開業準備などを行い、同年5月に給食を開始する予定。
協議会は、食品衛生や建築の知識者、地元自治会、栄養教諭、学校長などで構成し、調理場の機能やコスト縮減について検証する。
共同調理場の建設場所は上総高校南側の中島363番地先。敷地面積は9113・92u。敷地は北側と南側の2区画で構成。面積は北側が7699・85u、南側が1414・07u。北側に本体施設を整備し、南側は駐車場用地として使用する。
学校給食共同調理場は、老朽化している南子安共同調理場、坂田共同調理場、平山共同調理場の既存3調理場を統合し、給食調理を一元的に行う施設として計画。14年度当初予算で14〜15年度の2か年継続費31億円を設定したが、その後、資材単価や労務単価の上昇で事業費が36・7億円程度まで増額することが判明。これを受けて、交付金が不採択となったことなどと合わせて事業が凍結された。
同市は、市内にある南子安共同調理場、坂田共同調理場、平山共同調理場の3か所の共同調理場から、市立幼稚園1園、小学校17校、中学校11校に給食を提供しているが、各施設とも建設後30年以上経過し老朽化している。
このため、衛生面の向上・改善、給食調理の効率化などから、給食調理を一元的に行う施設として、また、食育基本法や改正学校給食法に定める学校給食を活用した広範な食育の推進を図るための拠点施設として、新調理場の整備を計画した。
なお、当初の施設規模はS造2階建て延べ4636・4u(建築面積4134・0u)。実施設計は山下設計(東京都中央区日本橋小網町6―1)が担当。