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北陸工業新聞社
2016/08/12

【石川】本庁舎との連絡上空通路を提案/金沢市の第二庁舎建設/延長約70m、建設費は5億円/特別委開く

 金沢市議会第二庁舎等建設特別委員会が10日開かれ、市側は本庁舎との連絡通路について地下、上空、地上の3パターン案の比較結果をまとめ報告した。市側は費用対効果や整備上の課題などを勘案した上で、上空通路を最適案として提案。上空通路はガラス張りで延長約70メートル、建設費は5億円と試算している。
 前回の委員会までに、当初計画していた地下通路の建設費(8億4000万円)や防犯面、安全面に対する指摘が挙がり、委員から地下通路の代案検討を求める意見を受け、市が連絡通路の計画について再検討した。
 市が今回提示した案によると、地下通路は本庁舎地下2階と第二庁舎地下1階を結ぶ延長110メートル(直線部80メートル、勾配4〜5%)。幅を当初の2・4メートルから防犯、安全面を考慮して4メートルに拡張した。建設費は幅員の拡張に伴い当初から1億6000万円増額の10億円(うち移設補償3億9000万円)と試算。圧迫感や安全性、多額の経費といった問題が残り、工事中には本多広坂線が長期間通行止めになることも明らかになった。
 一方、上空通路は本庁舎2階と第二庁舎2階を直線的に結ぶ延長約70メートル、幅3メートルを想定。ガラス張りのシンプル構造で、基礎は3カ所に設置し耐震性を確保。傾斜は地下通路に比べ低勾配の3%とバリアフリーにも配慮した形とする。建設費は地下通路の半分。整備には配置計画や形態意匠、素材などに関する景観審議会および建築審査会の了承が必要で、上空ルート上にある高樹齢樹木の移植なども課題とした。
 地上通路は現歩道沿いに屋根付き通路を設置。建設費は3案の中で最も少ない1000万円だが、延長50メートル間は不連続で屋根部が少なく、市道の横断が必要になり、冬期間や荒天時の安全確保に問題があるとした。
 市側は3案の評価結果を説明した後、「上空通路で進めたい」とする意向を表明。委員からは「最初から上空通路の案はなかったのか」との指摘があり、市側は「仕様にまで言及していなかった」などと答えた。委員会は、今回の提案を受けた意見を29日に予定する次回会合で示す方針。
 本庁舎に近接した南分室跡地に建設する第二庁舎は、RC一部S造地上3階地下1階建て延べ1万2281平方メートル。議会や危機管理センターをはじめ、行政委員会や職員センター、外郭団体などが入り、地下駐車場も整備する。
 スケジュールによると、今年度に実施設計、来年度早々に南分室の解体に着手。夏ごろに解体を終えた後、建設工事を発注し、12月議会で請負承認を得て、翌18年1月に着工、20年度の供用開始を目指す。
 基本・実施設計は五井建築研究所(金沢市問屋町2丁目)が担当。

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