大阪市は、天王寺動物園の魅力向上に向け、「天王寺動物園101計画―おもろい・あきない・みんなの動物園を目指して―」の素案をまとめた。2015年に策定した基本構想を実現するため、施設整備スケジュールなど具体的な内容を盛り込んだ。
基本コンセプトは▽大都市大阪にふさわしい都市型動物園▽憩い・学び・楽しめる都心のオアシス▽動物本来の行動を引き出す「進化型生態的展示」―の3点を設定。このうち、進化型生態的展示では、動物舎などの施設整備計画を示した。施設整備は開園状態を前提に、ローテーション方式で4期に分けて進める計画。事業期間は17〜36年度の約20年間、事業費は約85億円を想定している。
第1期(17〜21年度)は、海洋動物ゾーン、ふれあい・家畜ゾーン、アフリカの森ゾーンの他、てんしばゲートひろば(動物学習施設・スーベニアショップ)、新世界ゲートひろば(レストラン・カフェ)の整備を進める。
第2期(22〜26年度)は動物舎を中心に、東南アジアの森ゾーン、日本の森・里山ゾーン、アジアの森ゾーン(拡張)、新夜行性動物舎、適応の世界エリアを整備する。
第3期(27〜31年度)では、アジアの高地ゾーン新猛禽舎の他、新病棟・研究棟、総合案内所などを建設する。
第4期(32〜36年度)で、オセアニアの草原ゾーン、タイガの森ゾーン、南米の森ゾーンを整備し、計画を完了する。
施設整備に当たっては、PFI方式などの民間活力導入の可能性を調査中。16年度中に方向性を決める予定だ。
天王寺動物園では、15年度に動物展示の工夫やトイレ・園路の美装化などを実施。13年度に116万人まで減少した年間入園者が、15年度には173万人まで増加した。市は、天王寺動物園を核とした周辺エリア全体の魅力向上に取り組み、さらなる入園者の増加を目指す。
提供:建通新聞社