国土交通省の補助金交付の継続方針を受けて、香川県は「長柄ダム再開発事業」(綾川町)の全体計画の策定に乗り出す。簡易公募型プロポーザル方式で8月12日午後4時までに参加表明書の受け付けを締め切り、治水計画や利水計画を再整理し、併せてダム事業費算定など全体計画の策定を進める。納期は2017年3月24日まで。
長柄ダム再開発は、10年9月に国土交通大臣が示した「ダム事業に係る検討に関する再評価実施要領細目」に基づき検討し、綾川ダム群での導水トンネルによる連携を廃止し、単独の長柄ダム再開発が継続方針の中でこのほど認められた。
同ダムの再開発は検証過程で既設高(30b)を堤高42bに嵩上げする重力式ダム計画が示されているが、全体計画策定の中で最新の貯水池測量を基に、ダムに対する水深、面積や容量などの貯水容量曲線を再整理。その上で計画高水流量および長柄ダム再開発後の治水容量を再算定する。ダム再開発時の河道とダムの流量配分などによる最適な治水計画も検討する。
利水計画では河川への流入量や取水量などを再整理し、これまでの既往データや今回の検討結果を基に河川維持流量の設定と正常流量を検討。また導水トンネルなしでのオールサーチャージ方式による利水計算も行う予定。
計画高水の検討により決定した長柄ダム再開発の治水・利水・堆砂など最新の容量配分などを基に、ダム規模を決定するための検討も行い、事業費を再算定する。この中でダムの嵩上げ高の詳細検証や付け替え道路に必要な費用も再算定する。
長柄ダム再開発は全体計画策定後、17年度以降、国と協議しつつ順次、国補に基づく諸調査を委託する。
提供:建通新聞社