トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日本工業経済新聞社(山梨)
2016/08/08

【山梨】リニア環境未来都市検討委員会が提言

 甲府市郊外に建設されるリニア中央新幹線の新駅の周辺と近郊地域に県が構想する「リニア環境未来都市」について協議してきた検討委員会(委員長・北村眞一山梨大学地域未来創造センター長)は8日、提言を後藤斎知事へ提出した。提言では、定住人口の増加や産業の振興などへ先進的な取り組みが重要で、@魅力ある機能的な観光交流施設、宿泊施設の整備Aリニア駅と県内各地とを結ぶ道路や交通システムの整備―などを訴えた。


 提言について北村委員長は「リニアは重要なプロジェクト。開業までの約10年間、どういうステップで整備を進めていくかが大切です。市町のまちづくりとの整合性を取り、民間も含めた全県一体となった取り組みを」と述べた。
 後藤知事は、先週訪れたタイでもリニアが話題になったことを紹介し、「本県以外の方もリニアに関心を持たれている。提言を整備方針の策定に活かしていきたい」と検討に感謝を表した。
 県が想定する「リニア環境未来都市」は、リニア駅から4q程度を範囲とし、駅周辺(駅から200m〜300m程度)と駅近郊(周辺以外の場所)で構成する。
 提言では、全県的にリニア効果を波及させ発展につなげるには、山梨の強みである安心で潤いある生活環境や豊かな自然環境、豊富な自然エネルギーなどを最大限発揮することが重要で、先導的な役割を担うのがリニア環境未来都市と指摘。
 そのため、定住人口の増加や新産業の創出などの先進的・モデル的な取り組みを行い、環境と共生し新たなライフスタイルが展開する都市の創造を目指すと提言した。
 提言は、ポイントとして@定住A産業BエネルギーC景観D観光・交流E土地利用F交通アクセス―を挙げた。
 定住では、山梨らしい魅力ある住環境を整え、子育て支援の充実やリニア通勤の利便性向上などが望ましいと指摘。
 産業では、ふさわしい分野を見極め、県外からの企業誘致や新産業・成長産業の集積を促進し、駅周辺では研究や起業が活発に行われることが望ましいとした。
 エネルギーでは、次世代エネルギーシステムの導入、最先端技術の活用など。
 景観については、盆地の山並みを生かした景観、緑、フルーツ・フラワーを生かした景観など。
 観光・交流では、山梨らしい外観や魅力的で機能的な観光交流施設の設置、さまざまな役割を持つ宿泊施設を誘致することが望ましいと指摘。
 土地利用については、地域のまちづくりに沿った都市的土地利用を図ることが望ましいとした。
 交通アクセスでは、アクセス道路の整備、駅のターミナル的機能の確保、リニア駅と甲府駅とを結ぶ交通システムの整備などを提言した。
 提言を受けて県では、リニア環境未来都市の整備方針を策定し、具体化を図っていく。