香川県道路メンテナンス会議(会長・宮本馨香川河川国道事務所長)の2016年度第2回会合がこのほど開かれ、15年度までの点検実施状況や判定結果を踏まえ、本年度の点検計画など今後の対応を議論した。香川県内の構造物別点検計画のうち、道路橋では本年度末で全体の約6割の点検が完了見込みであるなど、おおむね順調に推移していることが示される一方で、今後の橋梁修繕・補修工事での予算確保や一括発注を含む施工法の要望など、市町からの課題を同会議で共有した。また、大規模修繕・更新補助制度や研修、セミナーによる技術支援のほか、「道路メンテナンス技術集団」による直轄診断や自治体に代わって国が工事を代行する修繕代行制度などを紹介しつつ、橋梁修繕工事での不調・不落情報などにも注視し情報を収集していく考えも示した。
同会議は香川県内の国、県、市町の道路管理者のほか高速道路会社で構成。道路インフラ予防保全・老朽化対策の体制強化を目的に14年度6月に設立。道路橋、トンネル、道路付属物などの点検計画策定、地域一括発注を含む点検実施や現地点検講習会などに取り組んできた。
このうち道路橋は、香川県内の管理施設8116橋のうち15年度までに国土交通省、高速道路会社、県、市町合わせて36%に当たる2958橋の点検が終了。同点検実績を踏まえ、16年度は2273橋の点検を行い、同年度末で64・4%の進捗とする見込み。
県内で最優先で点検すべき橋梁1361橋のうち15年度までに緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋52%(106橋のうち55橋)、跨線橋40%(99橋のうち40橋)の計32%に当たる432橋の点検が終了している。
15年度の点検により判定区分W(緊急措置段階:構造物物の機能に支障が生じている、または生じる可能性が高く緊急に措置を講ずべき状態)となった香川県内の道路構造物は、観音寺市の市道上若南線観音寺極楽橋(橋長27・6b、3径間単純RCT桁橋、1933年建設)の1橋。補修モルタルの剥落と補強鉄筋の腐食や補強前の主桁部の損傷が著しい状況。市では車両通行止め措置済みで、上部工・下部工ともに損傷が激しい状況から撤去や架け替えを今後検討する。
また、同会議では市町の点検業務を県が取りまとめて発注する地域一括発注で、15年度に坂出市、善通寺市、観音寺市、三豊市と宇多津町と琴平町の4市2町148橋の点検業務を一括で実施したことを報告。16年度は三豊市1市の80橋の点検業務を県が一括発注により点検業務を市に代わり実施する予定。
提供:建通新聞社