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日本工業経済新聞社(山梨)
2016/08/03

【山梨】2年7カ月後に発電 甲斐市のバイオマス産業都市構想

 甲斐市は29日、市議会のバイオマス産業都市構想特別委員会を開催した。発電による排熱利用のマスタープランとともに、今後の見通しを市側は説明。事業着手から2年7カ月後に発電を開始する青写真を描いている。
 昨年10月にバイオマス産業都市へ認定された同市は、これに先立ち、総務省の補助金を活用して「分散型エネルギーインフラプロジェクトマスタープラン」を同年3月に策定した。
 バイオマス産業都市構想のなかの4つのプロジェクトのうち「公共施設熱供給」と「熱供給農業振興」に関するマスタープランとなり、「熱供給」「バイオマスによる新たな農業展開」「6次産業の促進」を事業コンセプトに据えている。
 方式としては、公共施設には80度程度の発電排熱を、農業施設には35〜40度の低温水の供給を想定し、排熱を利用するものと公共施設に木質バイオマスボイラーを設置する2案について比較検討。各公共施設の排熱用途を設定したうえで、排熱を利用する施設や農業エリアをいくつかのパターンで組み合わせてコストなどを比較している。
 そのうえで、独立採算による熱供給事業の成立は難しく、農業法人誘致や市民の農業体験を可能とするなど多面的な農業展開の検討が重要で、民間の発電事業への市の関与を検討する必要があるとまとめている。
 さらに、今後の予定としては、資金調達確定を事業着手として1カ月後をめどに不動産鑑定、用地測量等を発注。続いて住民説明会を実施し、農地転用開発申請、協定締結を経て造成、施設建設を行い、2年7カ月から8カ月後の電力供給開始の見通しを明らかにした。
 なお、発電事業主であるフルヤグループは、資金調達や事業展開をスムーズに進めるためとして、大手ゼネコンと首都圏で飲食店やスパーマーケットを展開する企業との共同運営を考えており、現在連携へ向けての協議を行っているとの報告がなされた。