トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(東京)
2016/07/29

【東京】大田区 空き家対策で5年間の計画策定

 大田区は、空き家対策の推進に役立つ具体的な取り組み内容などを盛り込んだ「空家等対策計画」を策定した。管理が適正に行われていない空き家に対し、区と所有者、関係団体が連携することで安心して暮らせる環境の確保を目指す。空き家に関する相談体制を充実させるため28日、東京都建築士事務所協会大田支部など区内の関係8団体と相談体制の確立に向けた協定を締結した。
 大田区内の空き家数は2013年の調査で6万1,790戸、空き家率は14.8%となっている。また、ことし3月末までに区民などから寄せられた情報を基に区が把握した空き家の認知件数は264件(棟)で、2年前と比べ件数は倍増している。
 空き家が発生する原因として所有者の不在や相続に関わる事情の他、建物の維持管理・解体の費用が捻出できないといった経済的な事情などがあるとされる。このため区は、総合的な対策として▽相談体制の充実▽データベースの整備▽東京都や国の補助制度を活用した維持管理の支援▽公益的な利用を目的とした良質な空き家の提供者と利用者のマッチング―などを盛り込んだ計画を策定した。計画期間は5年間。
 今回、その最初の取り組みとして区は建築、法律、不動産、福祉など各分野の業界団体と連携。空き家所有者に対する相談体制を充実させるため、関係8団体と協定を結んだ。今後は庁内に設置した窓口や各団体が空家所有者に対して必要な助言・啓発を行い、適切な空き家の維持管理と有効活用を誘導する。

相談体制のイメージ図


空き家の適正管理に向け専門8団体と協定

大田区は28日、区民や所有者からの空家に関する相談に対応できる体制を確立するため、区内にある建築や不動産、法律、福祉の関係団体と協定を結んだ。各分野の専門的な知見を生かし、空家の適切な維持管理につなげる考え。
 今回、区と協定を締結したのは▽東京都建築士事務所協会大田支部▽東京建築士会大田支部空き家対策部会▽東京司法書士会大田支部▽関智文法律事務所▽東京土地家屋調査士会大田支部▽東京都宅地建物取引業協会大田区支部▽全日本不動産協会東京都本部城南支部▽大田区社会福祉協議会―の8団体。協定締結を終えてあいさつした松原忠義大田区長は「空家問題は年々複雑化、多様化している。管理が不十分な空家が増えると、治安の悪化や安全・安心な生活が脅かされる恐れが生じる。そのような事態を招くことのないよう、今後は皆さんの専門的な知見を生かして適切な空家管理に反映させたい」と述べた。
 都建築士事務所協会大田支部の小田哲一支部長は、「空家問題は地域ごとに背景が大きく異なる。協定締結を機に区と連携し、専門的な立場から知恵を出していけるよう努めたい」と語り、地域特性に大きく左右される空家問題の解決に向けて意気込みを示した。

提供:建通新聞社