国保匝瑳市民病院(匝瑳市八日市場イ1304、菊地紀夫・事業管理者)は、病院の建て替えに向けた基本構想・基本計画の策定などについて広く意見を求めるため「匝瑳市民病院新改革プラン及び建替整備検討委員会」(委員長=江波戸久元・旭匝瑳医師会会長、委員14人)を立ち上げた。6月9日に初会合を開き、今月18日に2回目の開催を予定している。本年度末までに新改革プランと基本構想案をまとめる。計画の策定ではアイテック(東京都中央区日本橋本町1―6―5)が支援業務を担当している。
委員会は学識経験者、医療機関等の代表者、市民代表、行政機関の職員、市民病院の管理者・職員など14人で構成。来年7月までに7回の委員会を開催し、新改革プラン、新病院の基本構想・基本計画を策定する。新改革プランと基本構想案は本年度末までに策定し、来年7月に基本計画案をまとめる。2回目となる今月の委員会では、5月から6月にかけて市民及び市内医療機関を対象に実施したアンケート調査の集計結果を報告するとともに、新病院の基本方針、病床機能・規模、経営ビジョン・基本戦略について検討する。
新病院は10月までに建設候補地を選定し、敷地利用計画を策定。10月下旬の3回目の委員会で建設候補地とともに整備手法を検討。その後、12月の第4回委員会で新改革プランと基本構想案の中間報告を行い、来年1月にパブリックコメントを実施する。パブリックコメントの意見などを取り入れて案を修正し、来年2月下旬の第5回委員会で新改革プラン及び基本構想案の最終確認を行い、3月末までに新改革プラン及び新病院の基本構想をまとめる。
新病院の基本構想・基本計画の策定では、@地域で同病院に求められている医療機能(役割)と適正な病床規模の明確化A病院の運営上の課題の明確化と健全性・柔軟性を確保するための運営形態B新病院の開院後の経営・運営を見据えた効率的・効果的な施設整備――の3つを念頭に置いた検討を行う。新病院は19年度の着工を目指している。
同病院は1958年に40床の国民健康保険直営病院として開設。その後、増改築により増床を重ね、84年に「国保八日市場市立病院」に名称を変更し、現在の157床になった。さらに市町村合併に伴い、06年1月に名称を「国保匝瑳市民病院」とした。建物は建設後45年以上が経過し、老朽化している。
12年には市民病院のあり方検討委員会から早期の建て替えを求める提言があり、庁内で検討。その結果、建て替え整備の方針を決定し、15年3月の定例市議会で市長が建て替え整備の実施を表明し、具体的な検討に着手した。
あり方検討委員会では、新病院の規模をリハビリテーションに特化した機能と緩和ケア機能を追加し、病床機能及び規模を急性期病棟110床、回復期リハビリテーション病棟25床、緩和ケア病棟10床の合計145床として提案した。
既存病床数は157床(うちICU4床、CCU2床)で、このうち145床が稼働している。敷地面積は2万4803・66u。建物規模はRC造3階建て延べ9306・35u(建築面積6011.03u)。診療科目は内科、外科、消化器科、整形外科、泌尿器科など14科。