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日本工業経済新聞社(埼玉)
2016/08/01

【埼玉】埼玉建築士会・江口会長インタビュー

 副会長を2期4年務め、埼玉建築士会のトップを引き継いだ江口満志氏。会長に就任したことしの総会直後の懇親会では「新体制になり、向っていかなければいけない課題が3つあります」と切り出した。「まず最優先するのが、2年後の2018年に初めて埼玉県で開催する第61回全国大会の成功です」。昨年度まで準備委員会で練ってきたが、今年度からは実行委員会による実務に入る。リーダーとしての手腕が試される大舞台が待っている。
 資格者団体として会費だけで公の事業に取り組んできたが、「会として、団体でなければ受けられないものもあるので、一般社団法人への移行を契機に補助金事業など導入できるものをリサーチしていきたい。しばりがなくなったことに対して、仕事を請けるための活動も積極的に進めていきたいです。躊躇していたら置いていかれますから」と話す。
 災害時の復旧・復興など地域貢献や、県境を越えた被災地への支援のあり方も模索する。「ハードはプロですからいろいろな手を尽くしていきますが、ソフトに関してもシミュレーションしながら起こる前に対策を講じたい。具体的には避難所の運営であったり、我々の仲間の誰かがリーダーにならないと動かないと思うんです。どの委員会でどう議論を重ねるか、これから考えなければなりません」と災害発生時の体制強化を目指す。
 独立して起業する若者の減少と、経営者の高齢化による廃業。会員減少を招いている主な要因だが、「会員増強には分かりやすくメリットを提示したい。ネット社会で溢れる情報は信憑性がなく誰も保証しない。とにかく正しい情報を発信することに徹したい」。
 建築士会は異業種の集合体。建築事務所、施工会社、資材屋など。設計でも意匠、構造、設備、積算とある。「それを上手く利用して、お互い会員同士でも何かやれることはあるんですよ。同業種の団体ではないことを強みにする。それも会に入っていないとできないですから。横のつながりも当然できますし、規模の小さな事務所などでは同じ仕事を手伝ってもらい、お互い融通し合う場面もあるわけです」。
 印象的に何度も口にしたのがネット社会への対応と交わり方。「そもそも我々が切り替えができていない。どうやってついていくかを真剣に考えないといけない。仕事を生み出すことを考えると本気で取り組まなければと強く感じます。ただ皆気付いてはいますが上手く利用できていない。企業のホームページもデザインでなく内容で独自性を出さなければいけないのですが。ホームページはこういうものというつくり方を理解することが重要。会員企業のホームページをより良いものにする勉強会をぜひ開きたい」と方向性を探る。