新建新聞社
2016/07/25
【長野】高校生が公共土木でDIY! 現場からのアイデア募集も
県は今年度、高校生が公共土木工事の計画立案や測量・設計、施工に参加する「自分たちでつくろうプロジェクト―高校生DIYプロジェクト(Do It Yourself!)」(仮称) を実施する。7月19日に長野市内で開いた「地域を支える建設業」検討会議第28回全体会議で発表した。
場所は長野市のあやとり橋付近の裾花川ウォーキングロード。長野工業高校の生徒が授業の一環で取り組む。「利用者が歩きたくなる」「使いやすくなる」という観事からアイデアを出し合い、改善計画を立案。検討過程で法的制約や技術・安全上の課題、経済性との折り合いなどを学びながら、自分たちで施工まで行う。
想定している内容は現道の修繕や花壇の作成、舗装面のぺイント、キロポストの設置など。測量・設計会社や建設会社がプロジェクトを通じて技術支援を行い、県が機材の提供と全体の調整を行う。9月から現場に入り、12月まで週2回のワークを実施する計画。現在、約10人の生従が手を上げているという。
県技術管理室によると、背景は建設系高校の生徒の「建設離れ」。卒業生の約7割が建設産業以外に就職している現状に歯止めをかけることが目的だ。「従来から現場見学や体験学習に取り組んでいるが、一歩踏み込んで、生徒自ら考え手を動かす場を設けたい。自分のアイデアがかたちに残ることが建設の醍醐味(だいごみ)。ものづくりの達成感を実感してもらいたい」(同)と話す。
若手・女性が働きやすいアイデア募集
「地域を支える建設業」検討会議は県発注部局と県建設業協会、有識者らで構成し、建設業を取り巻く課題の共有と解決策の検討を行っている。当日の会議ではこのほか、若手・女性技術者が働きやすい現場をつくるためのアイデア提案を受注者から受け付ける取り組みも発表した。
求める提案テーマは「若手や女性技術者が安心してやりがいを持って活躍するための、現場における工夫やアイデア」(ただし作業環境改善経費を計上できる水洗トイレやシャワー室、女性専用トイレ・更衣室、見学者用トイレは除く)。提案はすべての主任(監理)技術者が行うことが可能で、提案数とその実践状況に応じ工事成績点に加点する。
実際に現場に携わる技術者から広くアイデアを募ることがねらい。「発注者からの指示ではく、むしろ受注者のほうが、こちらが思いつかないアイデアや工夫を持っている。そうした提案を集め、実践の結果を共有していきたい」(県技術管理室)とする。年内には実施に踏み切る予定で、事業開始時点以降の契約工事または事業開始時点でおおむね3分の2の工期が残っている工事が対象となる。
提供:新建新聞社