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建通新聞社(中部)
2016/08/03

【三重】新庁舎建設の意向調査実施へ いなべ市

 いなべ市は、北勢町阿下喜地区に新庁舎の建設を計画、その施工者を意向確認型指名プロポーザル方式の入札で選定するため、ゼネコン数社を対象とする意向調査に着手した。ゼネコンは総合評定値や完工高、施工実績などを基に選定した。今後は入札参加に応募する者に設計書を交付、施工面でのプロポーザルを踏まえて審査し、11月に仮契約者を決定。12月議会に諮って本契約を締結する見通し。
 市では9月補正予算に2016年度分の工事費を補正する予定。すでに6月補正予算にテナント施設工事費などを除く工事費として、16〜18年度までの限度額を91億円とする債務負担行為を設定している。建築工事と設備工事、植栽などの外構工事を一括にして発注する見通しだ。
 庁舎は行政棟、議会棟、保健センター棟、シビックコア棟の4棟で構成。構造は鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造と木造。階数は、行政棟と議会棟がそれぞれ地下1階地上2階建て、保健センター棟が地上2階建て、シビックコア棟が地上2階建て。総延べ面積は1万4612平方b。駐車場台数は307台。施設内に車椅子対応のエレベーターを設け、各棟に多目的トイレを設置するなど、ユニバーサルデザインを徹底する。敷地内をできるだけ歩車分離にするなど安全面にも配慮する。
 さらに、災害時の建物運用を想定し、災害対策本部としての利用を想定した庁議室▽炊き出しに利用できるシビックコア棟の厨房▽敷地に面する全ての道路から敷地内に出入りできる出入り口▽2階テラスを避難経路としてだけでなく、水害・土砂災害時に活用できる避難場所―などを設ける。また、自然換気や自然採光、蓄電池を備えた太陽光発電、太陽熱などをインフラ断絶時に利用できる施設とする。行政棟を免震構造とする。議会棟と保健センター棟、シビックコア棟を耐震構造とする。建築工事の中に、シビックコア棟の南側へ整備するテナント施設の7棟と車庫を含める。テナントに入居する事業者の募集を済ませ内定している。18年度内の完成を想定している。
 実施設計は日建設計名古屋オフィス(名古屋市中区)が担当。
 員弁町笠田新田地内ほかにある完成後30〜40年を経過して老朽化した四つの庁舎を、東海環状自動車道路と各国道が集まる高台に集約する。建設予定地の敷地面積は約3万5400平方bで、現在は山林の状態。

提供:建通新聞社