北海道建設新聞社
2016/07/27
【北海道】北渡島生コン協組八雲工場が出荷開始−新幹線延伸に対応
北渡島生コンクリート協同組合の組合員5社が出資して2014年6月に設立した「北渡島生コンクリート株式会社」はこのほど、八雲町内に設けた工場で待望の初出荷を迎えた。北海道新幹線札幌延伸工事による需要増加に対応し、良質な生コンを供給する。今後は長万部町内にある既存工場を買い取って活用し、供給体制の充実を図る考えだ。
資本金は3000万円。同協組の組合員である北海道ティーシー生コン、ニレミックス、大野アサノコンクリートが25%ずつ、北海道太平洋生コンと上田商会が12.5%ずつ出資した。代表取締役社長は成田真一北海道ティーシー生コン社長、代表取締役副社長は同協組理事長の中村正己ニレミックス社長がそれぞれ務めている。
休止していた八雲町浜松の北海道ティーシー生コンの八雲工場を購入し、本社を置いた。その後、約3000万円を投じて改修。年間5万―6万m³の生産体制を整えた。
同協組の出荷量は、02年度に25万m³超でピークとなったがそれ以降は減少傾向が続き、13年度は4万2000m³まで落ち込んでいる。この間、適正生産規模の確立に向け、出荷量に合わせて8工場を3工場(八雲・砂原・鹿部)に集約した。
14年度の出荷量は、大型建築物件があったことから6万2039m³と盛り返したものの、15年度は4万1602m³と再び減少。民需がほとんどない地区のため、公共事業の伸び悩みが原因とみている。
一方で同協組は、道新幹線札幌延伸による需要増を見込み、供給体制の強化が必要と判断。12年12月に新幹線プロジェクト委員会を発足させた。14年3月にはこの委員会を発展的に解消して新会社設立準備委員会を組織し、6月の会社設立に備えた。新会社は札幌延伸工事の終了とともに解散することとし、各社からの出向者5人で業務に当たっている。
15年度に越智化成長万部工場が協組に加入して6社4工場体制となり、同時に北渡島生コンクリート株式会社のメンバーにもなった。16年度は前年度比42%増となる5万9000m³の出荷を見込む。うち新幹線需要は立ち上がりということもあり1万m³程度を想定。良質な生コンの安定供給に向けた体制を整え、14日に待望の初出荷となった。
道新幹線はことし3月に新青森―新函館北斗間が開業。現在は札幌延伸に向けたトンネル工事などが進められている。初出荷先は八雲町側の立岩トンネル立岩工区(戸田・伊藤・新太平洋・北海道軌道施設共同体)。
成田社長は「品質確保を図るのはもちろんだが、今後は長万部地区での工事に対応するため、昨年加入した越智化成長万部工場を買い取って活用し、万全の供給体制を構策する」と意欲を見せている。