県香取農業事務所は、経営体育成基盤整備事業の森戸地区(香取市)で本年度、ほ場整備の実施設計や換地原案作成業務を実施する。実施設計は6月8日の入札で内外エンジニアリング(千葉営業所・千葉市花見川区花園2―9―7)に委託。面積は約101ha。委託金額は予定価格2817万円(消費税抜き)に対し2548万円(同)。同地区は昨年度の採択地区で、総事業費14億8820万円(地方事務費除く)を投入し、ほ場整備のほか、用排水路工、道路工などを実施する。事業期間は2015〜20年度の5か年。
同地区は団体営事業により区画整理が行われているが、標準区画は10aの小区画で、道路は大半が幅員2〜3m程度の未舗装。また水路は用排水兼用水路で、排水路は土水路のため通水能力が不足している。このため、同事業で区画整理、用水路、排水路、道路を一体的に整備することにより、総合的な生産基盤の確立を目指す。
同事業では30a区画を基本に100a以上の高生産性大区画とし、用水路はパイプライン化、排水路はB型柵渠及びU字溝を整備。道路はアスファルト舗装及び砕石舗装を行う。用水機場は3か所(第1〜第3揚水機場)を新設する。
用水路の延長は7860m(VUφ300〜φ75o)で、給水栓がアルファルファφ75o。排水路は支線排水路1545m(B型柵渠H1200×B1200)、小排水路1947m(B型柵渠H900×B600〜H900×B1200)、U字溝3030m(450o、600o)。
道路は、支線道路がL1485m・W5・0m(アスファルト舗装)とL3631m・W5・0m(敷砂利)、耕作道路がL4197m・W4・0m(敷砂利)で、総延長9313m。
一方、用水機場は、ポンプがいずれも渦巻きポンプ1台で能力φ250o×15kw。全揚量は、第1が0・087立方m、第2が0・086立方m、第3が0・091立方m。ほかに、森戸揚水機場が渦巻きポンプ1台(φ250o×11kw)で全揚量0・125立方m。
本年度はこれまでに、ほ場整備の実施設計のほか、換地業務を随意契約で千葉県土地改良事業団体連合会(千葉市美浜区新港249―5)に予定価格1026万円(消費税抜き)に対し1025万円(同)で、また地区界測量を総合開発(成田市三里塚光ケ丘1―1372)に予定価格329万円(同)に対し320万円(同)でそれぞれ委託。工期は換地業務が2017年2月28日、地区界測量が16年8月31日。
同地区は香取市西部に位置し、一級河川大須賀川と八間川に挟まれた水稲を中心とした優良な水田地帯を形成している。地区では先進的な農業経営や規模拡大を志す農家が多い。農地は大半が10a区画で整備済みだが、同事業で30a区画を基本に100a以上の高生産性大区画を設け、未整備の用排水路、道路及び暗渠排水を一体的に整備することで、総合的な農業基盤を確立する。