北海道建設新聞社
2016/07/25
【北海道】道新幹線・渡島トンネルが陸上最長33kmに−村山と一体化
鉄道運輸機構は22日、2030年度末の開業を目指す北海道新幹線新函館北斗―札幌間の工事計画を変更し、隣接する村山、渡島両トンネルの一体化などを発表した。この区間で最長だった渡島トンネルの延長はさらに伸び、30`を超える国内最長の陸上トンネルになる。地平駅で計画していた倶知安駅は、地元の要望を受けて高架駅に変わる。計画の見直しに伴う事業費の変更はない。
村山トンネル(延長5265m)と渡島トンネル(2万6470m)の間は940mの明かり区間で、橋梁や高架橋を設けて両トンネルの出入り口を結ぶ計画だったが、地形や地質などを調査したところ、大規模な斜面対策が必要と判明した。そのため、両トンネルの線路勾配を変更し、明かり区間をなくして一体化することにした。
これによって村山トンネルはなくなり、渡島トンネルの延長は3万2675mに伸びる。延長2万6455mの東北新幹線八甲田トンネル(青森県)を抜き、国内最長の陸上トンネルになる。
新函館北斗―札幌間で最初に着工した村山トンネルは12年度に発注し、岩田地崎建設・熊谷組・不動テトラ・相互建設共同体が工事を進めている。15年度に着工した渡島トンネルは、16年度第3四半期(10―12月)と第4四半期(1―3月)に各2件の工事を発注予定で、鉄道運輸機構北海道新幹線建設局は工事の発注に影響はないとしている。
このほか、倶知安駅を地平駅から高架駅に変更した。道と倶知安町の要望を踏まえた対応で、同町の窪田栄副町長は「新幹線の線路には踏切を設置できず、街が分断されるため高架化を要望していた。今後、新幹線を生かしたまちづくりの計画を進めたい」と歓迎する。現在のJR倶知安駅に新幹線駅を併設する計画は変わらない。
また、羊蹄トンネル(延長9750m)は、掘削時の高水圧の影響や、周辺地域の水利用への影響を考慮し、線路勾配を地表面に近い位置に変更した。第3四半期に比羅夫工区を発注して16年度に着工する。