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建通新聞社(東京)
2016/07/25

【東京】都 沿道建築物耐震化で2300棟戸別訪問

 東京都都市整備局は特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を促すため、耐震診断の実施後に改修工事に着手していない約2300棟の建築物の所有者への戸別訪問を開始する。建築士をアドバイザーとして派遣し、行政の支援制度を説明したり改修計画を提示するなどして耐震改修につなげる考え。併せて中央通りと青梅街道の2路線をモデル路線に位置付け、沿道にある約140棟の建物所有者を都と区の職員が訪問し、改修に向けた課題への対応策の検討を始める。
 都では2016〜25年度の10カ年を期間として策定した新たな「東京都耐震改修促進計画」で、15年12月末現在で80・9%にとどまっている特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化率を19年度末に90%、25年度に100%に引き上げる目標を設定した。
 この目標を実現するため、耐震診断を実施したものの改修工事に着手していない約2300棟の建築物の所有者を直接訪問して耐震化を働き掛ける。
 補強に伴う費用や工事の影響などを比較検討し、改修計画を作成できるよう、建築士をアドバイザーとして派遣。それぞれの建築物の個別の課題を把握した上で、行政が用意する支援制度を説明し、改修計画案を提示することで改修工事の実施につなげていく。耐震性が特に低い(耐震指標であるIs値が0・3未満)建築物を先行して訪問する。
 また、中央通り(千代田区の万世橋区民会館周辺〜中央区との区境、中央区の銀座八丁目交差点〜銀座通り口交差点)と、青梅街道(中野区の中野坂上交差点〜杉並区との区境、杉並区の中野区との区境〜天沼陸橋周辺)の2路線をモデル路線に設定。こちらはマンションを中心とした耐震改修未実施の約140棟の建築物の所有者を都と区の職員が訪問。改修に向けた課題への対応策を検討し、今後の取り組みの方向を定めていく考えだ。
 都は対象となる建物所有者へのダイレクトメールの送付を開始しており、16年度末までに戸別訪問を完了させる。
 都のまとめによると、都内の特定緊急輸送道路の沿道には1万8458棟の建築物がある。条例に基づき耐震診断を義務付けた旧耐震基準の建築物4845棟のうち約94%の診断が完了し、設計や改修工事に移行する建築物は増加傾向にある。都では耐震診断未実施の約280棟の建物所有者に対し、所管行政庁と連携して耐震診断を行うよう指示していく。
提供/建通新聞社