日本工業経済新聞社(山梨)
2016/07/21
【山梨】直轄富士川改修、継続が了承
国土交通省関東地方整備局は、富士川直轄河川改修事業の進捗状況と今後の対応方針を事業評価監視委員会(14日開催)に諮り、事業継続が承認された。計画では、当面7年間は浸水防止対策として切石、手打沢築堤護岸(身延町)、鬼島築堤護岸(富士川町)、護岸整備を釜無川や笛吹川で、河川防災ステーションの整備を木島地区(静岡県富士市)で推進する。
富士川改修の直轄事業は1921年(大正10年)着手。以後、改修を進めて74年(昭和49年)に工事実施基本計画を改定し、2003年(平成15年)に河川整備基本方針を、06年(平成18年)に河川整備計画(35年まで)を策定。計画に基づいて順次、改修を行っている。
事業評価監視委員会で関東整備局では、費用便益比として、事業全体で3・8(総便益957億円、総費用250億円)、残事業で4・7(総便益330億円、総費用70億円)、当面7年間で1・3(総便益38億円、総費用29億円)と示し、全て便益が費用を上回ると説明した。残事業の建設費は67億円、当面7年間の建設費は28億円。
コスト縮減については、河川防災ステーションの盛土材(約10万立方m)として道路工事など他の事業からの発生土を活用することで掘削費や積込費、運搬費を約1億5830万円縮減できると説明。
関係自治体(山梨県、静岡県)からも築堤や河道掘削など事業推進を求められており、今後の事業の実施について特に大きな支障は無く、引き続き事業を継続することが妥当と委員会に諮り、承認された。
今後の改修方針は次のとおり。
【当面7年間で整備する箇所】
◆築堤護岸=1972年8月洪水の浸水箇所の解消(切石、手打沢、鬼島)を優先し、下流より順次実施。
◆河川防災ステーション=木島地区で整備。
◆護岸=釜無川、笛吹川で整備。
【概ね30年で整備する箇所】
◆築堤護岸=72年8月洪水の浸水箇所の解消(飯富、宮木、福士)。
◆築堤、河床掘削=流下能力不足区間の対策として、築堤(成田、岩手、高田)、河床掘削(成田、十島)を行う。
◆河川防災ステーション=中流部・笛吹川で整備。
◆緊急用河川敷道路=下流部に整備。
◆護岸=釜無川、笛吹川で整備。