東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は7月21日、選手村の一角に仮設施設として建設する「ビレッジプラザ」の基本設計委託に伴うプロポーザル手続きを開始する。大会期間中の選手の生活を支えるさまざまな店舗で構成し、入村式などセレモニーの場としても利用する施設で、木造平屋の建物を「屋台村」のように複数配置する考え。延床面積6000平方b程度の規模を想定している。大会後に建物を移築したり、解体した木材を再利用するなど後利用を考慮した建物計画の提案を求める。9月中に設計者を選定し、10月中旬に契約を結んで作業を開始。17年度に成果を得て実施設計作業に移行し、18年度早々に工事を発注したい考えだ。
ビレッジプラザは、選手やチーム関係者だけでなく、メディアやVIP、ゲストなどが利用する施設で、選手村(中央区晴海4・5丁目、面積約44f)の整備エリアの一角である晴海4丁目の約1・3fを建設地とする。敷地の半分を車寄せなどのスペースに充て、残る区域に木造平屋一部2階建てで延床面積約6000平方bの建物を新築する。郵便局やコンビニエンスストア、理容室、劇場、カフェ、情報オフィス、救急ステーションといった“日常生活”に必要な機能を配置。国内産の木材をできるだけ活用し、日本の伝統・文化を体感・発信できるような施設とする。
大会後は学校用途として更地にして返還するが、大会のレガシー(遺産)として建物を移築したり、解体した木材を利用できるような後利用を施設整備に先立って検討する。
16〜17年度に基本設計、17年度中に実施設計をまとめ、18年度早々に工事を発注、19年度中に完成させる考えだ。
「ウェルカムセンターは年内めどに設計委託」
組織委員会ではまた、選手や関係者に食事を提供するダイニング、ウェルカムセンター、トランスポートモールといった仮設施設も整備する。こちらは仮設の建物を新築する他、既存建物を活用することも検討しており、施設・設備の要件を整理した上で、年内にも設計業務を委託する。
提供/建通新聞社