国への「地域に密着した建設企業の受注機会の確保」をはじめ「前倒し発注の確実な実行」「前倒し発注後の公共事業の執行に資する、大型補正予算の編成」「単年度の予算増に留まらず、社会資本整備に必要な予算の安定的かつ継続的確保」に対する理解を求めるため、(一社)千葉県建設業協会(畔蒜毅会長)の三役一行は20日、2016年度の「直轄関係機関訪問」を敢行。国土交通省関東地方整備局千葉国道事務所(松浦利之事務所長)を皮切りに、東日本高速道路梶iNEXCO)関東支社千葉工事事務所(木曽伸一事務所長)、国交省関東地方整備局利根川下流河川事務所(中村伸也事務所長)、同霞ヶ浦河川事務所(白土正美事務所長)、同常総国道事務所(伊興田弘樹事務所長)の5機関を訪ね、「国関係機関等へのお願い」と題した要望書を手渡した。この日、各関係機関を訪問したのは、畔蒜会長をはじめ小宮山房信副会長、橋順一副会長、石井良典副会長、金城総円副会長、大林正章専務理事の6氏。
◆大手と地域の較差顕著
要望書では、同協会の会員企業が年間を通して、技術力の向上への活動や自然災害発生時の緊急対応をはじめ、道路、河川、海岸等の清掃など「地域社会と経済の活性化に貢献する活動」を展開し、それらにより、地域住民の安全・安心を守る活動に努めていることを紹介。
一方、公共事業を巡る情勢は、2011年10月の政権交代により誕生した安倍政権が、当初に公共事業予算の大型補正を行ったものの、それ以降の単年度予算については「前年度予算をわずかに超えるものの大型補正は行われないで推移」。このことから、現在の公共事業予算は「前民主党政権による『コンクリートから人へ』をキャッチフレーズとした11年度当初予算と変わらない水準にある」と厳しく指摘。これにより、地域間や大手と中小との較差が生まれ「地方建設業は依然として厳しい状況に置かれている」と訴えた。
◆遠くない将来に災害対応空白地帯
また、千葉県内の15年度の公共工事の動向が、件数・請負金額ともに前年度を下回ることから、これらの発注量の減少により「遠くない将来、災害対応空白地帯が生まれてもおかしくない状況にある」との警鐘を鳴らした。
さらに、地域の建設業が「地域の安全・安心の担い手としての役割を果たしていくため」、また、技術・技能者の育成確保と賃金・休暇・社会保険の未加入対策など「人材確保と労働環境の改善により、若者が将来を託すことができる魅力ある産業となっていくため」として同協会では「受注機会が拡大し、改正品確法に謳われている受注者の適正な利潤が確保されることにより、すべての会員企業の経営基盤の強化が重要である」と主張。
地域建設業がその社会的役割を果たしていけるよう、冒頭の4項目についての配慮を強く求めた。
◆本局には前日
同協会では前日(19日)、同じく直轄関係機関訪問として、さいたま新都心合同庁舎の国土交通省関東地方整備局(大西亘局長)をはじめ、首都国道事務所(甲斐一洋事務所長)と江戸川河川事務所(金澤裕勝事務所長)を訪ね、それぞれに要望書を手渡した。
このうち、本局においては、大西局長(6月21日付就任、前・水管理・国土保全局治水課長)のほか、上田洋平・副局長(同、前・東日本高速道路滑ヌ理事業部副本部長)、浅古勝久・地方事業評価管理官、河井睦朗・総務部長(7月1日付就任、前・本州四国連絡高速道路椛獄ア部長)、大野昌仁・企画部長(6月21日付就任、前・国土交通本省大臣官房付)、多田治樹・建政部長(同、前・金融庁総務企画局市場機能強化室長)、朝堀泰明・河川部長、村山一弥・道路部長、吉野裕宏・営繕部長らと面会した。