金沢市は今年度、市内最大規模の市営住宅「緑住宅」の再整備計画を策定する。単身高齢者の入居者が増える中、建物の将来的な配置を見据えた再整備計画を策定するもので、この中で未耐震11棟の建て替えに向けて、整備手法を検討する方針だ。策定業務は日本海コンサルタントに委託、このほど作業に着手した。
緑住宅は1970年から78年にかけて、中層耐火4・5階棟および高層耐火7・11階棟が順次建設され、市内の市営住宅では最大の全40棟(1358戸)で構成する。
建物に関しては、高層棟(H1〜4)以外で耐震性に問題があったため、市はこれまでに建て替え(E4〜6)および耐震補強工事(A2〜5、D1〜4・7〜10、E1・2、F1〜3・6・7、G2)を実施。A1・6棟も17、18年度での建て替えを予定している。
再整備計画ではまず、未耐震11棟(D5・6、E3、F4・5、G1・3〜7)の建て替えに向け、2棟から1棟に合築するといった建物形態や階数などを検討する。
5階建ての現建物には階段しかなく、高齢者にとって不便な状態であるため、エレベーターの設置を前提とする。また、市では人口減少傾向などを踏まえ、今後10年間で市営住宅の戸数5%を減らすことにしており、現状からの戸数減も加味していく。そのほか、高層棟なども含めた再整備のあり方を検討する。
業務委託期間は今年末まで。市では同住宅の建て替え工事を原則2カ年事業で進めている。17、18年度はA1・6棟の建て替えを予定するため、未耐震棟の建て替えは早くても19年度以降になる見通しだ。