能登町は、指名型プロポーザル方式を採用した新庁舎建設に伴う基本設計業務について、最優秀者に浦建築研究所を特定した。15日に開かれた町議会全員協議会で町側が報告した。同者の提案は「人々をつなぐ機能的なユニバーサル庁舎」をコンセプトに、港を取り囲む雄大な山並みをイメージしたデザインを外観に取り入れた。建設規模はRC造4階建て延べ5300平方メートル程度。
プロポーザルでは、浦建築研究所、大屋設計、五井建築研究所、中島建築事務所、山岸建築設計事務所の5者から技術提案書を受け付けた。6月23日の審査委員会でヒアリングを行い、庁舎整備方針などの評価項目を点数化し、契約候補者となる上位3者を選定した。
第1位の浦建築研究所の点数は77点。次点者の大屋設計は70点、第3位の中島建築事務所は69点だった。
浦建築研究所が提案した新庁舎は、観光・地域交流センター「コンセールのと」の西側隣接地に配置。行政部門が入る庁舎部分に、喫茶・売店、ラウンジ、大ホールなどの交流活動拠点「フォルムのと」を併設した。
庁舎はガラス張りで、フォルムのとは西日対策などを図るため木調ルーバーを取り付けた意匠。庁舎前面の軒下に、西側駐車場からコンセールのとへとつながる歩行者専用回廊や、多機能前庭空間なども整備する。駐車場は庁舎前と西側とを合わせ最大222台分を確保する。
新庁舎は「本庁・支所方式」に移行する目的で、のと鉄道旧宇出津駅周辺用地約1万平方メートル(宇出津地内)に整備。概算事業費には30億円を見込んでおり、このうち建設費には22〜23億円程度を充てる。今年度は実施設計までを完了させ、17年度の着工、19年度後半の開庁を目指す。