国土交通省の「第35回今後の治水対策のあり方に関する有識者会議(座長・中川博次京都大学名誉教授)」がこのほど開かれ、香川県の五名ダム再開発(変更計画案)と綾川ダム群連携事業(現行計画修正案)の検証の検討結果を審議し、いずれも「継続する」ことが妥当と判断された。今後、国土交通大臣が有識者会議の意見を踏まえて事業継続の補助金交付に係る対応方針を示せば、県はダム計画変更の前提となる河川整備計画の変更を進めつつ、並行して国の予算に基づく調査・設計などダム建設の実施計画づくりを進めていく。
五名ダム再開発は、既設ダムを再開発し、洪水調節、新規利水、流水の正常な機能維持を目的とした、堤高約55・4b、堤頂長235・7b、堤体積17万8000d、総貯水容量645万d、有効貯水容量610万dの重力式コンクリートダムを建設する。総事業費220億円。工期は2026年度。これまでダム事業のうち治水、利水、堆砂計画、総事業費と工期などを総点検。複数案を比較検討し総合評価した結果、県は変更計画案となる「五名ダム再開発」が最も有利な案とした。
綾川ダム群連携の長柄ダム再開発は、同ダムの既設高(30b)を嵩上げする堤高42・6b、堤頂長190b、堤体積6万7000平方b、総貯水容量1020万d、有効貯水容量860万dの重力式コンクリートダムに再開発する。総事業費150億円。工期は26年度を見込む。
現行ダム計画の策定経緯や治水、利水、堆砂計画や総事業費などを総点検した結果、現行計画を修正する案の「長柄ダム再開発)が最も有利としている。
修正計画では現行計画にあった田万・長柄導水トンネルは廃止。オールサーチャージ方式を採用している。
提供:建通新聞社