(公社)地盤工学会北陸支部(支部長・大塚悟長岡技術科学大学大学院教授)と富山県は7日、富山県民会館で、災害時における調査および防災の連携・協力に関する協定締結式を開いた。
地盤工学会が自治体と防災協定を結ぶのは、宮城県に続き全国で2例目。北陸支部管内(新潟・富山・石川県)では初めてであり、富山が砂防立県である歴史などを踏まえ、他県に先行し協定を結ぶことにした。
締結式には、北陸支部から大塚支部長、副支部長の松本樹典、杉本利英、金子敏哉の3氏、小林俊一幹事長、西本俊晴事務局長ら、県側からは、加藤昭悦土木部長と清水真人農林水産部参事、舟田浩志建設技術企画課長らが出席した。
大塚支部長、加藤土木部長が協定書にそれぞれ押印、書面を取り交わした後、加藤氏は、「全国各地で大規模な自然災害が多発しており、災害時への備えを一層強化していく必要がある。地盤災害は二次災害の危険性が非常に高く、発生要因も多種多様。地盤災害発生時の調査に対し、学術的な知見に基づく技術的な助言を迅速にいただける体制が構築できたことは大変意義深い」と感謝の言葉を述べた。
これに対し、大塚氏は「学術的な支援により、富山県民の安心・安全に貢献できれば、公益法人としての目的にかなう」とあいさつした。
今協定は、両者が包括的な連携の下に相互に協力し、地盤災害発生時の調査や地盤災害の減災、防災対策に向けた取組を通して、災害対応力の強化と防災技術の向上を目指すことが目的。
具体的には、(1)地盤災害発生時の調査の技術的な助言、社会資本の整備・管理における技術的課題解決に関すること(2)地域の防災力向上と技術者の技術力向上・育成に関すること|について、連携と協力を進める。
締結式終了後、同支部主催の「熊本地震報告会」も開催。北陸地方整備局企画部の鈴木和弘技術開発調整官が熊本地震におけるTEC|FORCEの活動状況を説明したほか、富山県立大学の古谷元氏、金沢大学の池本敏和氏、京都大学防災研究所の川崎一朗氏が、それぞれの立場から研究成果などを報告した。