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西日本建設新聞社
2016/07/11

【熊本】阿蘇大橋600m下流に架替 九州地整

 九州地方整備局は、熊本地震により崩壊した国道325号阿蘇大橋について、現在の位置から600b下流側に再架橋することを決めた。5日に開かれた国道325号技術検討会(委員長・日野伸一九州大学副学長)で架け替え位置等が委員らによって了承された。橋梁延長は600〜700bで、県内でも有数の長大橋となり、土工部分を含めると架け替え延長は約1`になる見通し。今後、早急に橋梁形式を決定し、詳細設計に入る方針だ。
 5月に開かれた1回目の技術検討会では、架け替えにあたっての安全性や施工性、景観性等の基本方針を確認。2回目の委員会では、国交省側が現地架け替えを含めた再架橋4案を示し、このうち現在地から600b下流側に架け替える案が、被災個所を迂回して通過できるなどの評価を受け、最適なルートとして判断された。現地架け替え案は斜面崩壊個所に近接し、リスクが最も高いため選ばれなかった。
 現時点の架け替えルート計画は、国道57号の立野病院付近からの橋梁部分600〜700bと、国道325号南阿蘇村河陽側までの土工部分約400bで構成。崩壊した現阿蘇大橋よりも約3倍の長さになる見通し。今後橋梁形式を選定するにあたって、架橋区間に想定される推定地表地震断層を避けた下部構造とし、地盤変状が生じた場合でも落橋・倒壊しにくい構造とする方針。
 国道325号阿蘇大橋には熊本地震復旧等予備費として、測量設計費5億6544万円、工事費2923万円を配分。業務関係では、九地整が5月に予備設計までを含めた検討業務を長大に委託しており、検討会での意見を聞きながら10月末までの工期内で橋梁形式の選定を進め、早急に詳細設計に着手したい考え。

提供:西日本建設新聞社