君津広域水道企業団は、本年度から2023年度までの8か年計画で、大寺浄水場管理本館の耐震化に取り組む。既設の管理本館を減築し、敷地内に3階建て延べ約2000uの新管理本館を建設。本年度で実施設計を行い、来年度以降に着工する。実施設計は日水コン(千葉事務所・千葉市中央区本千葉町7―11)に委託。委託金額は予定価格5636万円(消費税抜き)に対し5100万円(同)。委託工期は17年3月21日。
実施設計の委託業務名は「大寺浄水場管理本館耐震化及び新管理本館築造実施設計業務委託」。設計の内容は、新管理本館建築・電気等基本設計、新管理本館建築・電気等詳細設計、共同溝増設及び場内整備詳細設計、既設管理本館耐震化(減築範囲)検討など。
同本館は1978年度の竣工で、建設後40年近くを経過。耐震性の不足から、部分的に補強が必要な箇所が発生している。このため、2階以上を減築し、補強が困難な基礎杭への加重を軽減することで、建物全体の耐震性能を確保する。新本館建設後に既設本館の2〜4階の解体と解体後の改修工事を実施する。昨年度で実施した基本設計の中で減築が提案された。基本設計は日水コンが担当した。
既設本館2、3階にある執務室、会議室、水質検査室、中央管理室などは新本館に機能を移転。また、遠方監視制御設備、小櫃堰テレメータ設備及び無線設備も新本館へ機能を移設し、設備を更新するほか、電気計装設備を設置する。新本館の階数別機能は1階が執務室、2階が大会議室、3階が中央管理室など。
また共同溝を増設し、新管理本館の地階から既設共同溝へ接続する。共同溝は既設と同寸法で、RC造B2300o×H1600o、延長70m程度の計画。共同溝は薬注配管や水質検査用の配管、電気ケーブルなどを埋設している。共同溝の増設に伴い、影響を受ける範囲で場内整備も実施する。面積は1300u程度を想定する。
既設の管理本館の規模はRC造地下1階地上4階(屋上空調機室、地下中1階あり)建て延べ4618・923u。基礎はAC杭(PHC、B種同等)。各階別の面積と諸室構成は▽地下1階980・423u=送水ポンプ室▽地下中1階485・242u=電気室、自家発電機室▽1階1078・071u=本館電気室、送水ポンプ電気室、事務室、薬注ポンプ室、薬注電気室▽2階885・374u=執務室、水質検査室、水質発信器室▽3階982・649u=中央管理室、計算機室、大会議室▽4階207・164u=空調機械室。
浄水場施設の施設能力は日量13万5000立方m。なお、既存の管理本館の施工は大成建設が担当。