愛媛県は、上島町の岩城島と生名島を結ぶ岩城橋の2016年度内発注に向け資材単価や施工価格などの調査を外注し、10月31日までの期間で進めている。発注時期は年末ごろとみられ、発注形態は11年2月に供用した生名橋(斜張橋)と同様に下部・上部工とも一括となるもよう。21年度完成を目指す。
資材単価などの調査は、公表図書による資材単価の適用範囲を大幅に上回る使用料であるため、本工事のスケールに見合う単価と離島での施工となるため現場渡しでの資材単価を調査している。内容はPC桁、鋼桁、斜材、橋面工・付属物工などのほか施工価格や機械損料も含む。委託先は建設物価調査会四国支部。
岩城橋の概要は延長735b、幅員7・5bの5径間連続鋼・コンクリート混合斜張橋。主塔橋脚2基、橋脚4基。主塔間の延長は475bで中央部の中央径間が延長351bが鋼桁。主塔付近がプレストレストコンクリート桁。設計は長大松山事務所(松山市)が担当した。
発注に向け準備が進められているほか、電気設備の設計を長大で進めている。期間は12月16日まで。設計内容は受電設備、電気室、避雷針、桁・塔内照明、鋼桁内電源、道路照明、風速計、道路情報板、遮断設備、航路標識灯、地震計および航空障害灯など。
岩城橋建設事業の工区延長は岩城橋を含め約2`。概算事業費は約120億円が見込まれており、14年度内に各種設計や調査、15年度から用地買収に入り、16年度から岩城橋や取合道路工などに着工する。
岩城橋前後の取り合い道は高架橋となり、既存道路との接合部は土工となる。生名島側の土工区間は延長458b、高架橋は延長175b(一部土工)。岩城島側は土工区間延長369b、高架橋が延長141b。
生名島側の高架橋の概要はPCコンポ橋が2橋。延長38・5b、逆T式橋台1基(深礎杭基礎、口径2000_4本)とPC3径間連結コンポ橋が延長120b、逆T式橋台(直接基礎)2基、張出式橋脚(直接基礎)2基。設計は日本工営愛媛営業所(松山市)が担当した。
岩城島側の高架橋の概要はプレストレストコンクリート(PC)4径間連結コンポ橋延長140・5b(幅員8・7b)。下部工は逆T式橋台1基(深礎杭基礎、口径2000_4本)、張出式橋脚(直接基礎)3基。設計は大日本コンサルタント松山営業所(松山市)が担当した。
岩城橋の架設は、上島町内の岩城島・生名島・佐島・弓削島の4島を3つの斜張橋で結ぶ上島架橋事業の一環で、岩城橋は最後の橋梁。弓削島と佐島を結ぶ弓削大橋(延長567b)は1996年3月、佐島と生名島を結ぶ生名橋(延長515b)は11年2月に供用している。
提供:建通新聞社