福島建設工業新聞社
2016/07/07
【福島】公的住宅供給1.6万戸を目標/県版住生活基本計画案
県の住生活基本計画案がまとまり7日、県民意見公募を開始した。震災後に顕在化した課題を中心に震災対応、災害に強い居住環境など5重点施策を新たに設定し優先的に取り組む。このうち従来、1施策だった「子育て」と「高齢者」は切り離し、個別の施策体系とした。指標には、国が定めるもののほか、応急仮設住宅居住数、災害・復興公営住宅供給量、長期優良住宅認定数など本県独自の8指標を追加。公営住宅供給量は公営住宅1万5200戸、公的賃貸800戸の計1万6000戸と見ている。
18年6月制定の住生活基本法に基づく都道府県計画で県総合計画、県復興計画、土木分野の県土づくりプランのうち住宅関係を具現化する個別計画。
県では、18年3月に本県住宅政策の方向性を示す「住宅マスタープラン」を策定していたが同基本法制定により、このマスタープランに住宅供給量などを加え、同年に18〜27年度の10年間を計画期間とする「本県版住生活基本計画」を策定した。
これは中間年に見直すこととなっており、22年度の作成中に震災で中断。25年度に改めて見直しを図り25〜32年度の計画としていた。このため当初計画期間と合わせ、今回の計画期間は28〜37年度となる。
現計画は復興再生が中心だが、復興の過程で顕在化してきた@被災者の恒久的な住まいの確保A災害に強い居住環境の形成B地域資源を生かしたふくしま型の住まいづくりC子育てしやすい居住環境の形成D高齢者が自立して暮らすことができる居住環境の形成―の5点を重点施策に位置付け、予算の重点配分を行うこととなる。うちCは地域創生の観点から県の「ふくしま創生総合戦略」にも盛り込まれている。
目標指数には新規に空家率を設定し全体で20項目。うち在来木造住宅の割合や省エネ住宅ストック比率、まちづくり協定など8項目は本県独自で設定した。
この中で震災前よりも状況が悪化した「最低居住面積水準未満率」は早期解消、「子育て世帯における誘導居住面積」は国の指標よりも高い60%を目標に掲げている。