仙北市は、計画している統合庁舎建設で、8日に開催する市議会7月臨時議会に提出する補正予算案に用地取得費(物件・用地補償等)を計上する。角館駅前の約12,000uを取得するもので、予算化されれば土地所有者と仮契約を締結する。用地契約には議会の承認が必要なため、その後の議会に用地の仮契約と「市役所の位置を定める条例」の改正案を上程する。認められれば、基本・実施設計費や地質調査費などの早期計上を目指す。
計画は、現在の田沢湖・角館・西木の分庁舎方式を解消し、本庁舎方式への一元化を目指すもの。統合庁舎を新設するほか、田沢湖・西木町庁舎を総合庁舎として活用するため改修する。市では、すべての整備について平成33年3月までの完成を目指している。
統合庁舎の建設地は角館駅前を予定している。角館駅前案は、人口が集中する角館町の中心部で駅前という立地や、公共交通機関の利便性などがメリットとして立案されたもの。施設は重量鉄骨造、延べ床面積約5,500uとする計画で、総事業費は約27億円、合併特例債等を活用する。
先月には、庁舎建設の必要性や財政面、建設用地などの説明が不足しているとの住民意見が上がっていたため、門脇光浩市長や市総務部、市議会庁舎建設特別委員会などが市内5カ所で再度説明会を実施し、市民と意見交換を行っている。説明会では、統合庁舎の必要性を認める好意的な意見が上がる一方、財政の健全化や建設地における交通の利便性などについて不安視する意見も出た。
これまで建設地については、庁舎建設特別委員会が、26年度に市でまとめた庁舎整備基本構想も踏まえながら、市民の利便性などを考えて審議してきた。そのため、市では同委の角館駅前案を尊重したい考えで、引き続き協議しながら事業を進める方針。
提供:秋田建設工業新聞社