株式会社大林組(東京都港区港南二丁目15の2、白石達代表取締役社長)は、能代市、三種町、男鹿市を候補海域に検討している(仮称)秋田県北部洋上風力発電事業で環境影響評価方法書の縦覧を開始した。期間は来月1日まで。発電規模は総出力最大455,000kWを想定し、4つの発電機出力・基数案(3,300kW最大120基、3,450kW最大120基、4,000kW最大91基、5,000kW最大91基)を示している。
計画は、風況条件が良好な県北部において着床式風車を大規模に設置して再生可能エネルギーを供給することで、エネルギー自給率の向上や地球温暖化防止への寄与、地域活性化などを目指すもの。
事業の実施を想定している区域は能代市浅内沖、三種町八竜沖、男鹿市若美沖の海域約65ku。風車を設置する適地は、あきた沖合洋上風力発電導入検討委員会で提示された候補海域(約59ku)のうち、約49kuを予定している。近隣には能代火力発電所、港湾施設、男鹿国定公園などがあり、最も近い集落は三種町大口釜谷地区。
風車は着床式で、基礎構造はモノパイル式またはジャケット式が検討されている。ケーブル配置についても検討中だが、海岸線から300m以内に設置される秋田送電株式会社の変電施設に向けて海底に埋設し、陸揚げする計画。
今後は、今年度から2年間の環境アセスを経て平成30年度頃から事業単位ごとにボーリングや測量、設計を行って収支を計算し、4年後をめどに事業化するかを判断する方針。着工が決まれば、32年度から3カ年をかけて工事する予定で、運転開始は最短でも7年後の35年度となる。なお、事業を実施する際は特別目的会社(SPC)を設立し、事業主体を移行する予定。
提供:秋田建設工業新聞社