松阪市は、史跡「松坂城跡」を市民の憩いの場、中心市街の核となる地域資源として、より一層の保存活用をすることを目的とした「史跡松坂城整備基本計画」を策定し、公表した。
基本計画では、今後この松坂城跡を歴史的・文化的環境を有した学習空間、公園空間、観光レクリエーション空間としての機能を有した施設として保存・整備を行うための指針をまとめている。
主な整備方針としては、@史跡松坂城跡の歴史的・文化的価値の顕在化に努め、市の物理的、精神的シンボルとして整備を図るA松阪市の固有の文化歴史に触れ、学べる空間として史跡松坂城跡周辺と文化財などとのネットワーク拠点の場とするB都市基盤施設として公園緑地機能や災害に対して広い空間を利用した1次避難地としての機能を備えるC歴史的文化遺産として独立丘陵となっている城跡のシンボル性を強調されるため、眺望箇所の確保、歴史的まち並みの環境保存などに努める。
D文化財としての恒久的保存や価値の顕在化活用のため、ガイダンス施設や学習、解説施設の設置などを行うE都市公園・観光拠点の機能保持・充実のため、トイレや休憩施設・休養施設など来訪者受け入れのための施設の改善・整備、既存のサイン施設などの統一化、舗装などによる園路などの改修・整備、案内所・解説施設などの整備―などとしている。
さらに整備内容として、石垣については、石垣調査など各種調査の成果を踏まえ本格的保存修理を行い、石段も踏まえ地形などにより改変された箇所は十分な調査検討を踏まえ復旧を図る。加えて雨水などにより流亡(りゅうぼう)が想定される箇所については、文化財としての施設に配慮した適正な材料・工法により土留め対策を講じるとともに、園路沿いの雨水排水路の改修や横断水路などの整備も行う計画だ。
今後は当面2023年度までを目標に、石垣の修理、樹木管理、休憩・学習・安全施設・便益施設の整備などを進めていく。
提供:
建通新聞社