日本工業経済新聞社(群馬)
2016/07/05
【群馬】桐生市、秋口に球場耐震化工事
桐生市は、桐生球場の耐震補強工事の秋口発注を目指し準備を進めている。本年度当初予算には、同球場施設工事費として1億2539万9000円と設計業務等委託費1274万4000円を計上。耐震補強をメーンとし、内装や建具の改修も実施される。工事発注には分割の選択肢も含め、関係部署での検討が行われている。
相生町の運動公園内にある同球場は1969年に建てられた。両翼90m、中堅120mの1万3300uのグラウンドに加え、すり鉢状の球場施設はRC造2階建て(一部平屋建て)。内野席9195席の下には、選手の控え室や施設管理設備、ミーティングルーム、シャワールームなどが入っている。2014年度に群馬県建築士事務所協会(前橋市)が耐震診断を実施したところ強度不足が指摘されたため、昨年度に耐震補強と内装改修の設計業務を協同組合群馬県建築設計センター(前橋市)へ発注していた。
今回の工事では、主に補強壁の整備により耐震性を確保する。補強壁により内部の狭小化が懸念されていたが、設計段階では支障を来すようなことはなかった。補強と同時に老朽化してきた内装や建具も改修する。
工事は球場の構造から作業範囲を区切ることが可能。そのため分割しての工事発注も選択肢の1つとして考えられている。
9月に同球場でプロ野球イースタンリーグの公式戦があるほか10月まで高校野球の秋季大会が開催されるため、着工は早くて同月下旬となりそう。年度末完成に向けた工期の確保へ向け、スポーツ体育課と建築住宅課が調整を行っていく。
同球場では03年度に外壁や座席などを対象とした大規模改修を実施し、昨年度にグラウンドの拡張とナイター照明設備の設置を行った。シャワールームやミーティングルーム、その他の設備機器なども整備から年数を経ており老朽化が進行。改修の必要性も指摘されているが、今回は見送られた。
老朽化した設備など内部の改修は今後の課題となりそう。