東京都交通局は、2008年に開業した日暮里・舎人ライナーの大規模修繕計画の作成に乗り出す。桁や橋脚、駅舎といった施設の老朽化が進行する前に、将来にわたって維持管理を効率的に行うことができるよう、新たな点検要領をまとめた上で、予防保全の考えに沿った修繕内容や時期を定める。7月27日開札の希望制指名競争入札で健全度調査・修繕計画作成の業務委託先を決め、検討委員会での議論を経て確定する。
日暮里・舎人ライナーは、荒川区の日暮里駅と足立区の見沼代親水公園駅を結ぶ案内軌条式鉄道で、路線延長は約9.8キロメートル。上部構造は上路式(一部が中路式)RC床版や鋼床版。橋脚は238基あり、構造は鋼製ラーメン柱や鋼製門型柱、逆L型鋼支柱、1柱式鋼支柱、1柱式RC支柱など。基礎は場所打ち杭や深礎杭、ニューマチックケーソン、オープンケーソン。▽日暮里▽西日暮里▽赤土小学校前▽熊野前▽足立小台▽扇大橋▽高野▽江北▽西新井大師西▽谷在家▽舎人公園▽舎人▽見沼代親水公園―の13駅を設置している。
新しい施設のため劣化などは進行していないが、将来にわたって維持管理を効率的に進め、安全に使い続けることができるよう大規模修繕計画を策定する。
まず、健全度を調査するための点検要領を作成し、軌道部(桁、橋脚)と駅舎部(屋根、柱、外壁、昇降施設、転落防止柵)、連絡通路(支柱、梁、床板、桁)、建築設備といった施設の点検を行って、損傷度や対策区分を位置付ける。
これを基に、施設の優先度や耐用年数を整理し、予防保全方策や点検方法など維持管理基本方針を定める。
同局が設置する検討委員会で、健全度調査の判定方法や修繕方法の在り方などを検討し、修繕計画にまとめる。
提供:
建通新聞社