高知県における管理型産業廃棄物最終処分の在り方に関する基本構想検討委員会の第1回会合が6月27日、日高村のエコサイクルセンターで開かれた。現施設がこのままだと2021年度末に残り容量ゼロとなる見込みのため、別の処分場の必要性や、施設整備する場合の整備手法の方向性、施設規模などを検討するほか、現施設の延命化策についても協議する。今後11月までに5回の会合を開き、年内にはマスタープランを策定する予定。
日高村本村にある既設のエコサイクリセンターは、高知県初の管理型産業廃棄物最終処分場として、県や市町村が出資する財団法人エコサイクル高知(現在は公益財団法人)が事業主体となり整備が進められ、11年10月に開業した。当初は、埋立容量11万1550立方bを20年間で満杯とする計画だったが、想定外の鉱さいが出現したり、法改正により廃石膏ボードを受け入れを管理型最終処分場で行ったりという要因があり、想定の倍の速度で搬入が進んでいる。このペースだと21年度末には満杯となるため、今後の管理型産業廃棄物最終処分の在り方を、学識経験者や関係団体など産学官による委員7人により検討を進める。事務局は林業振興・環境部環境対策課が務める。
第1回の会合では、委員長に岡山大学教授の藤原健史氏が選任された後、主な検討項目や策定スケジュール、将来予測手法、調査項目などの説明を事務局より受けた。今後は、まず新たな管理型産業廃棄物最終処分場の必要性について検討し、必要となった場合は、民間による整備か、公共が関与するかといった整備手法の方向性を協議、この段階で中間報告をまとめる。さらに、公共関与となる場合、施設構成や受入期間、埋立容量といった施設規模などについて検討し、候補地を選定するための手法も協議する。
並行して、既存のエコサイクルセンターの延命化策についての検討も進める。検討方法としては、まず施設を利用する事業者に対しアンケート調査を実施、新たな処分場が必要か、施設を整備する場合に望ましい整備主体や運営主体、併設していれば便利だと思われる施設などを求めるとともに、既存施設を少しでも長く使用するための要望や、事業者で協力できることも聞く。さらに、高知県以外の都道府県に対するアンケート調査も実施。各都道府県での状況などについての回答を求めるとともに、過去に延命化を検討したことがある場合の手法内容や実施の有無などについて聞く。なお、管理型産業廃棄物処分場が1施設も無いのは栃木県のみ。これらの調査結果に基づき、延命化の手法を検討していく。
第2回検討委員会は7月25日に行われる。その後8月、10月、11月にそれぞれ委員会を開き、検討内容を取りまとめ、それを基に県がマスタープラン案を作成する。それを12月県議会で報告し、議員からの意見も反映させながら、パブリックコメントを実施し県民の意見も反映させ、年内にマスタープランを策定する。
提供:建通新聞社